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黒い看護師・・・世界仰天見ましたか??

2010年10月06日 23:07

黒い看護師・・・世界仰天見ましたか??

4人の容疑者吉田純子〈左上〉から時計回り
石井ヒト美、池上和子、堤美由紀



新潮文庫で出ていて、作家は森功(いさお)氏。題名は『黒い看護婦福岡
 四人組保険金連続殺人)』。

 事件発覚当時は、平成14年。命を守るべき“白衣の天使”と呼ばれている
 看護婦4人のグループによって、繰り返された犯行。 医療知識を用いて
 仲間の夫をその手で殺していった連続保険金殺人事件。その中年看護婦
 グループレズビアンの関係にあった。

 福岡県久留米市で起きた看護婦殺人事件に関して、サメはそんなふうに
 記憶していた。但し、全員レズビアンの関係ではなくて、主犯の吉田純子と
 堤美由紀の二人がその関係であった事が本を読んでわかった。

 女王然として三人を従えていた吉田純子の性欲に、吉田純子はいやいや従っ
 ていたというのが実情らしい。
 4人はかつて同じ看護学校に通っていた看護婦仲間だ。

 白衣の4人組のなかで、なによりも強烈なのは吉田純子のキャラクター
 久留米市の高級マンションの同じ欄に住み、純子は最上階にプライベート
 ルームを所有。三人を自由自在に扱って、生命保険などで手にした金額は
 二億円にものぼるという。

 法務省の主任研究官で心理学者の小柳武氏は「夫は保険金目当ての事件     
 についてターゲットとして狙われやすい」と話す。

 「大半の夫は妻よりも高い生命保険に入っています。また、夫は妻がいきな
 り暴力を振るったりするはずがないと油断しているので、今回の事件でも別
 居中の夫は妻から呼び出され出かけている。この事件はほぼ完璧な完全
 犯罪で、犯罪手口などから発覚したのではなく、犯罪行為とは関係ない人間
 関係から発覚しただけです」

 純子の人をだます手口は、この本を読むかぎりでは、とても幼稚な手口だ。
 それにもかかわらず、彼女の周りの人物は次々に彼女トリックに引っかか
 りお金をだましとられていく。

 吉田純子は、架空の人物をしたてあげ、背後に暴力団関係がいると匂わす。
 その発言により、百万以上の金額を払う事になるにも関わらず、当人は純子
 の発言が真実かどうか確かめようともしない。

 一番わからないのは、女同士の行為で妊娠したと言って、堤美由紀にさらに
 体を要求するところだ。看護婦の堤美由紀が、このとんでもない説にだまされ
 るのが不思議だ。

 美由紀の子供をやどしたみたいと純子に言われて、最初は信じなかった。
 「ご主人の子供やなかと?」「主人とはずっとセックスしとらんけん、それはあ
 りえんばい」さらに純子はこうも説明した。
 「診てもらったんは九大病院の葉山教授ていうドクターたい。先生の知り合い
 でもあるけん、間違いなか。女性同士で妊娠した例は、過去にニ、三件ある
 らしいよ。私で四例目げな。世界的な研究になるて言うとったよ」

 純子は、この妊娠説を最大限に利用し、妊娠中だからと言っては、美由紀
 家事一切を押し付ける理由にもした。なによりも効果を発揮したのが、美由紀
 の体を求めるときだったという。

 「先生がね。子宮内の羊水が減っているから潤さんといけん、て言いよんなる
 と。セックスして潤す意外になか、て」
 純子はネコなで声を出して言った。
 「それにね美由紀母体エクスタシーを何度も感じたら、胎児知能指数
 あがるげな。逆に感じんけりゃあ、知能指数が下がるらしか。そのためにも
 毎日セックスばせんとね」

 純子は美由紀スカートをはくことを禁じ、パンツしか許さず、香水も男性用の
 ものを強制したという。
 純子の性をせがむ理由などは、あまりに突拍子な発想で、笑ってしまいそうだ。
 しかし、彼女の凶暴性も性欲に負けず劣らずすさまじい。

 怒ったときの純子は完全に目がすわる。それが異様な迫力を生んだ。
 彼女のやり方は必ず相手を座らせ、見下ろしながらいたぶる。娘たちは土下
 座させられ、平手か拳で真上から頭や顔を殴打された。
 「あんまりいい音がせんね」
 そう言いながら、何度でも殴る。声を出すと、さらに純子が興奮することがわ
 かっているため、娘たちも必死に痛みに耐えた。鼻血が噴きだし、顔が腫れ
 あがる。

 なぜこのような、複雑怪奇吉田純子という人物が出来てしまったのか?
 精神科医の岩波明氏も解説でこう述べている。

 「私の専門である精神医学的には、異常者としての吉田純子という人物が
 もっとも興味深かった。本書は生来犯罪者ともいうべき彼女の姿を、あます
 ことなく描ききっている。
 ただ不思議に思うのは、著者が吉田純子の犯罪を非常にクール記述して
 いる点である。これはジャーナリストとしてのバランス感覚によるもの
 であろうが、彼女邪悪さに強く魅かれていた裏返しかもしれない。強烈な
 「悪」は、それに近づくものを魅了しとりこんでしまうものだからである。

 この本は、「金」と「性」に異常な執着を示す吉田純子の強烈・キャラクター
 引っ張られ、夢中で読んでしまう本だ。また彼女にだまされ、夫殺しに加担し
 てしまった看護婦仲間も実は怖い。人間は自分自身を持っているようで、実
 はその心は判断力は、とても頼りないものなのではないかと思ってしまう。

 この暑い夏に、吉田純子を中心にした『人間の奇妙な怖さを読んで涼む』と
 いうのも一考かもしれない。

 参照:《福岡発》看護師保険金殺人事件”夫たちはなぜ殺されるのか!? Web現代

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