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(創作) 『S(エス) 弐』

2008年08月19日 21:06

(創作) 『S(エス) 弐』

『Clothed Male and Naked Female』
着衣の男と裸の女)

   
   
   

朝 わたしはダイニングの窓を全て開けた

そして遮光カーテンを閉める

風で時々カーテンが揺れる

いつもならカーテンを閉めることはしない

ここから目の前の公園を眺めながら朝食を摂る



公園を見下ろす形であるこの部屋では

その朝のひと時が一望出来る

公園から室内を覗き見ることは出来ない

朝と言っても 休日の朝

いつもより遅めの朝食

公園には子供達が集まり その声が聞こえる



わたしはいつものように雑誌に目を通す

そして彼女コーヒーと軽い朝食を目の前に並べる

わたしは彼女を黙って眺めている

彼女の表情が少し歪む

なにひとつ 不思議なことはない

どこの家庭でも営まれている

朝のありふれた風景に他ならない

外からは公園で遊ぶ子供達の声が聞こえ

わたしは いつものように朝食を口にする

彼女は それを 黙って眺めている



もし 何かが違うとしたら

彼女が何も身につけていない事

そして本来 人には見せない部分にある

黒い茂みがきれいに除去されている事

この2点だけだ



何故 彼女が一糸纏わぬ姿

つまりは全裸でそこにいるか

それも 何か深い意味があるわけではない

ただ わたしがそれを許さないだけだ

そして彼女の身体を開かせたときに

いつも感じていたこと

宝石のような白い肌に一点だけ浮き上がる黒い茂み

それがいつも邪魔に感じていた

昨夜 注意深く丹念にそれを除去した



これも深い意味があるわけではなかった

彼女の持つ 美しい体 そして表情

わたしはそれを純粋に楽しみたいだけだった



窓を開け 外の音が聞こえるようにして

わたしは 彼女が裸である事を気にすることはない

それが 当たり前のように接する

あたかも これが日常のように接する



彼女にはそうは感じられないのはわかる

それは 時々風でカーテンが揺れたとき

わたしが何気なく指示する仕草に

色を変える彼女の表情にそれは感じられる



直に風を感じるはずのない部分に風を感じ

直に触れるはずのない物に触れる感覚

隠されているはずのものが晒されてる事実

それが彼女の体を羞恥の色に染める

わたしは仮面を失い 本性に目覚めてしまった

彼女の前で自分の本性をさらけ出してしまった

彼女にも何かをさらけ出してもらわなければ

公平ではない そう思った

それが自分勝手な理屈だとわかっていてもだ



高揚して染まっていく体は熱を発し

彼女の鼓動は大きく響き波紋のように広がる

意識、鼓動、体熱の高まりは体を浮遊させる

そんな錯覚すら 彼女は感じているのだろう



そしてそれは顕著に彼女の体に体現される

赤みを帯びていく肌

張りを増す乳房

腿をつたい滴り落ちる雫



彼女が何故 こんな理不尽な命令に従うのか

それは わたしにもわからない

ここを追い出されることを恐れ従うのか

あるいは 彼女の本性が欲してるのか

それともわたしへの愛情なのか

横暴さをむき出しに彼女を自分の意のままに

辱め服従させているが

愛情があるから従うなどと自惚れるほど愚かではない

ただ 確かなのは歪んでいるが

わたしは彼女を愛しく思っている

それだけは 胸を張って言える



わたしは 目の前に座ることを促す

その先にあるものをわかっているがゆえに

戸惑いながら彼女は座る

そしてゆっくりと体を開かせる

わたしを求め誘う体がそこにある



わたしは彼女の誘いを拒むことはしない

誘わせたのはわたし それに応えたのは彼女

彼女の火照りを鎮め日常に戻してやるために

彼女の誘いに応えてやらなければならない



いや それは嘘 この先に日常はない



外から聞こえる子供達の声

いつものように展開していく現実

この日常の中で彼女だけが

日常から外れて存在している

そのズレを正すため

非日常の中に融かすために

この非日常が彼女の日常とするために

わたしは 彼女の脚に口づけをする

「あっ・・・・・ 」

抑ええきれず漏れる吐息彼女の最後の抵抗

非日常の宴は始まった

わたしの両手は彼女の胸のふくらみを捕らえ

隠すもの全てを失い 非日常の抱擁に

潤いあふれる部分に舌を這わす

そしてわざと大きな音をたて吸い上げる

「だ、だめ・・・ こ、こんな・・・」

身体を仰け反らせ小刻みに震えながら放つ言葉

そして神にすら彼女は見放された

風が大きく吹き遮光カーテンが大きく揺れる

その一瞬 時間にすれば1秒にも満たない時間

太陽の光が彼女とわたしを一瞬照らし出す

そして彼女の視界に飛び込む青い空

その時間が彼女にとって何秒に感じたのだろうか

身体全体で感じる陽射しとその温もり

彼女の身体はその瞬間 公園の中央にあったに違いない

人が多く闊歩する公園の中央で

全裸でわたしの愛撫に悶える姿を晒している

そう感じたに違いない

「・・・・  」

声にならない叫びを上げ彼女は達した

身体から全ての力が抜けていくのがわかった

非日常の中で 彼女の意識と身体は沈黙した

椅子に身をあずけ力を失った身体を晒し

頬をつたい首筋に流れる唾液

腿をつたい床に滴り落ちる雫

非日常の快楽に屈した彼女がそこにいた



そして テーブルの上に次なる得物を置き

彼女の前の座った

彼女は今 何を思ってるのだろう

飛んだ意識は 何処を彷徨っているのだろうか


今は 彼女が目覚めるのを待つ

わたしの出来ることはそれだけだった


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