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「ディア・エヴァン・ハンセン」レビュー☆

2023年08月14日 01:56

「ディア・エヴァン・ハンセン」レビュー☆

ベン・プラット主演他。思いやりでついた嘘。そして、たどりついた本当。エヴァンハンセン(ベン・プラット)は学校に友達もなく、家族にも心を開けずにいる。ある日、自分宛に届いた“Dear Evan Hansen”から始まる手紙を、図らずも同級生コナーコルトン・ライアン)に持ち去られてしまう。後日、校長から呼び出されたエヴァンは、コナーが自ら命を絶った事を知らされる。悲しみに暮れるコナーの両親は、手紙を見つけ息子エヴァン親友だったと思い込む。彼らをこれ以上苦しめたくないエヴァンは思わず話を合わせてしまう。そして促されるままに語った“ありもしないコナーとの思い出”は人々の心を打ち、SNSを通じて世界中に広がり、彼の人生が大きく動き出す。トニー賞グラミー賞エミー賞受賞。数々の賞に輝いた大ヒットミュージカルがついに日本上陸

10/10点!!この音楽チームは本当に掴み方が上手いな。まぁ、「ラ・ラ・ランド」みたくツカミが最高で後は下がり続けるパターンもあるけれど、今回はずっと最高を更新し続けました。ベン・プラットが歌い出した途端、心が激しく揺さぶられて涙が出そうなのがずっと最後まで続きました。エヴァン役をブロードウェイキャストのベンのままでいったのは大正解だったと思う。どの曲も全部こみ上げっぱなしだから、なんでだろう?と考えたけど、どの曲にも苦しくて切実な想いが込められているからだと気づいた。一人じゃないってわかっていても、現実で誰か自分を見つけて、目の前を通り過ぎないでと。エヴァンのしたことは残酷だけど、ただの嘘が彼にとって彼自身の為に必須になっていくのが苦しくて苦しくて。ゾーイ(ケイトリン・デバー)にとっても、兄が亡くなっても彼を「怪物」と呼ぶほど傷つけられた傷は変わらずそこにあるのに、その気持ちや存在を蔑ろにされるやりきれなさもとても苦しかったです。確かに、怪物が消えても王国は嘆いたりしない。むしろ、万々歳ですよね。エヴァンが書いた“コナーからの手紙”にされちゃった手紙は、エヴァンの切なる願いそのもので、もう一人の自分ではなく、こう言ってくれる親友が欲しい願いしかなくて、誰にでもそういう瞬間や一面はあるはずだから、誰もが痛いほど解かる感情だと思いました。「どんなに無理だと感じても、今日は違う」。今日は違うと何とか進み続けるだけの希望や励まし、勇気が欲しい。私も今、強くそう思っているので、本作は私にとって生涯で忘れられない1本になりました。終わって速攻リピートです(笑)苦しいけど歌もストーリーも最高過ぎ。2021年公開。

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