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編集 「最近よくある異世界召喚」(3)

2021年03月13日 17:07

衛星都市を出て、3日間ほどでシルフィーの村にたどり着いた。
「やっと着きましたよーー」
「うぅーん、まずは村長さんにお手紙渡してクレアさんを紹介しなくちゃですねぇ」
故郷に戻り安心したのかシルフィーの表情が明るかった。
道中では、力不足の聖女だったと悔いてばかりだった。
「ここが村長さんの屋敷です」レンガ造りの大きな屋敷だった。
「こうゆうのを、中世風って言うのかな? 洋風だな」

「おぉー、シルフィー戻ったか」 よく通る男性の声がした。
「はい、お祖父様、戻りました。 色々あったけど・・・戻って来ました!」
「あ、これ司祭様が渡すようにと・・・」 丸め羊皮紙のような書簡を手渡した。
 村長体躯の良い男性だった。書簡を読むとクレアに話しかけた
「孫娘が世話になったようだね。戦闘に向かぬ召喚者らしいが、”生産者”とか初めて見る職だな
 孫娘は母親と小さな畑を耕して暮らしている。出来ることなら”生産者”の異能が役立ててくれないか?」
「名前は?」
「はい、クレアと申します。」
「似た世代のようだな。私は村の事で娘や孫娘に構ってやれなくてな、よろしく頼む」

「(まず、突っ込まれさせー! シルフィーのお祖父ちゃん? ガタイ良いし、村長?)
  は、はい、どのような力なのか解りかねますが、お役に立てるなら」

「それは助かる。村の男では皆衛星都市兵役で取られてな、少しでも男手が欲しかったんだ。」
シルフィー、家に案内して差し上げなさい。召喚者に無礼の無いようにな」

「はい、お祖父様。 クレアさん、お家に行きましょう。母が待っています。」

シルフィーの家に招かれた。 村長の屋敷程ではないが一軒家だ。
ママー! 戻りましたー。」
「え? シルフィー? お努めは?」
「う、う、、うん、終わったの」
「そう、そちらの方は?」
「召喚者のお一人です。でも司祭様に私とここに来るように言われたの」
「そう、初めてね。召喚者って皆ギルドに登録されて冒険者として働くのでしょ?」
「うん、でもこちらのクレアさんは、そうゆうの向かないからって、司祭様が言って。
 お祖父様も一緒に暮らして欲しいって、あ、これ司祭様からの書簡です」

怪訝そうな表情で書簡を読む母親
「(まぁ、いきない祖父と同年代の男が来て一緒に暮らせって話だものな)」

書簡を読み終えると、母親が話しかけてきた
シルフィーの母親 ウンディーネと申します。 司祭様も村長も承諾しております故、これからは家族同様に接してくださいね」
「あ、よろしいのですか?」
「はい、司祭様と村長お墨付きですし、私の父が近くに居るとはいえ、母娘二人では寂しいもので」
「そうですが、ではよろしくお願いします。私に出来ることは何がありますか?」
「そうですね。うちは小さな農家です。少しずつ覚えて頂ければ結構です」

翌朝・・・
「さて、まずは水くみか。重労働だな。よく女・子供でやってるもんだな」
魔法とか、魔術とか使うのか?」
荷台に樽を積み、水源の泉までシルフィーの案内で水くみに出た。

シルフィー、今まで水くみは誰がやってたんだ?」
「はい、兵役が始まる前は、村の男たちがやっていました。今は各家で少しずつ自分たちの分を運んでいます。重いからキツイですよねぇ」
「水くみの魔法とか魔術は無いのか?」
「この村で魔法や魔術を使えるのは数名です。でも大きな魔法も魔術も使える人がいません」
「魔導書は色々ありますが、適正があって使える人が村には、ほとんど居ません」
「私も、火と風の魔法が少し使えるだけで、重いものを運ぶ魔法は使えません」
「そうなのか・・・後で魔導書が使えるか確かめたいな」
「そうですね。終わったら村の魔導図書館へ行きましょう」
「(生産者じゃ使える魔術は期待できないか? でもモノ造りに必要な魔術使えたら便利だよなぁ)」

水くみが終わり、畑への水撒き、雑草取りを終えた午後、シルフィーと村の魔導図書館へ出向いた。
「魔導書に触れると、使えるか使えないかが分かります。使える場合は、魔導書が勝手に開き体に取り込まれて自然に使えるようになります。ただし、MP不足だと使えません」
「そ、そうか・・・(何があるのかな?)」
図書館に入ってた。周囲を書籍で囲まれた屋内だった。

「さて、とりあえず。農家向けの魔術・・・土系と水系かな?」
図書館内を見渡し、インデックスを見て、土系の魔導書の前に向かう。
クレアが魔導書に触れると・・・カタカタを幾つもの魔導書が震えだした。
「えー!クレアさん大変です。ま、魔導書が一斉に反応してます。」
土系の魔導書全てが眼前で開き次々とクレアに取り込まれていった。
土系だけはないかった。水系の魔導書も同様だった。
「し、シルフィー君? こ、これは・・・どうゆうことかなぁ?」
「は、はい・・・そ、それはですねぇ。クレアさん土系と水系全部GETです。」
「魔導書ってランクとかレベルあるのかな?」
「は、はい・・・ここにはEランクからAランクまでありました。今まで習得者が、ほぼ無しだったので、全部GETした感じです」
「無くなった分は?」
「はい、衛星都市で管理していて自動で補充されます。でも今までCランク以上は無かったはずです」

「そ、そうか・・・後で何が出来るか確かめよう」
「残りも触れてみてください」
 火・風・白・黒 結局全ての魔導書を取り込んでしまった。
「あ、あの・・・一つ不安が・・・」
「何?」シルフィー。」
「黒の魔導書には、Sランク以上があったはずです。衛星都市では禁忌の魔導書です。
 祖父が聖騎士団の団長、無くなった父が聖騎士だったので、黒の魔導書は全てここにあったはずですよ」
「黒の魔導書って?」
「あ、あの・・・悪い感じの魔導書としか聞いていません」
「自動で補充されるんだよねぇ? 何かヤバくないか?」
「そ、そうですねぇ・・・悪い予感しかしませんよーーー」

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