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全てを超えて、対等に

2019年01月15日 10:03

全てを超えて、対等に

おじいちゃんのお世話になっているので

簡単な晩餐会などでは、私も娘たちも参加しておもてなしをするのが

我が家ルール


と言っても、会話の相手をするだけなので

気楽なもの



さらに、おじいちゃんの交友関係はハイクラスな方々ばかりなので

いじわるなども無縁


外国人の私にとっては、いい環境です



で、今回は乗馬競馬の集まりがあり

さまざまな馬主さんが、おじいちゃんのおうちへ訪れ

やれ今年産まれた馬がどうのこうの、と

とても楽しそう



場は盛り上がり、ちょっとしたダンスをしたり

端によってお酒を楽しんだり

思い思いのまま、過ごす人々



そんな中、ある夫婦が連れてきた男の子(と言っても18歳だそう)が

人が通るたびに身体をビビらせ、不安げにチラチラとあたりを見回し

とても居心地が悪そう


で、小脇に抱えてるのが「The Insect stories of J.Henri Fabre」※ファーブル昆虫



それを見つけたアンは、しずしずと男の子に近寄り


アン「昆虫が好きなの?」
※会話は全て英語です

男の子「・・・(無言)」

アン「私ね、日本で生活してたときにセミやカブトムシをたくさん捕まえたの」

男の子「・・・(無言)」


アン「秋にはお腹が真っ赤なトンボも捕まえたわ!ブリテンと全然違うのよ」

男の子「・・・もっと・・・聞かせて」


アン「いいわよ!メモを取る準備は出来てる?※アンのジョークです」


男の子「待って・・・ノートを・・・もらってくる」


そう言って、両親に駆け寄り紙とペンを持ってくる、真面目な男の子


アン「日本にはね、オニヤンマっていう大きなトンボがいるの!」

アン「どこでも見つかるのは、モンシロチョウって蝶々。モンキチョウっていうのもいて
違いは色が白か黄色か」


アン「ミヤマクワガタっていうのがいて、クンタッシ(カウンタックのことです)みたいな形なの」


出るわ出るわ、脳みそに収納された経験と知識の宝庫


男の子「僕・・・学校・・・行かないんだ。」

男の子「みんな・・・僕をいじめるんだ」

男の子「勉強は苦手だけど・・・虫は・・・好きなんだ」



少しずつ自分のことを話す男の子(と言っても、さっきも言いましたが年齢は18歳)


アン「そうなの、じゃあ虫の事をずっと学べる時間が人より多くて素敵ね!」


男の子「・・・君は学校が好き?」


アン「私は学ぶことが大好きよ!それ以上に人と話せるのが大好き


男の子「・・・君は優しいね」





・・・ちょっとしたロマンスが始まるみたいじゃんか



と、頃合を見計らって


アン「ねえ、紹介するわ。こっちが私のママ(私)、こっちが姉(リリー)よ」


と私たちを紹介し、虫の談義



と言っても、私は虫に詳しくないので


蚊柱(秋口の田舎で見られる、虫が井戸端会議してる様)の話をしたり


イナゴを捕まえると、口から黒い液体を吐く話くらいしか出来ず




で、リリーはというと

男の子がこぼしたジュースを拭いてあげたり、料理を食べさせてあげたり
(少々身体が不自由なところがあるようです)

30分も話すと、男の子の強張った顔もだんだんと解け

緊張しつつも、顔は笑顔



そんな中、トイレに行きたいという男の子を逆エスコートするリリー

残されたアンと私に、さっきの男の子の両親が近づき


男性「私たちの孫と仲良くしてくれてありがとう。あの子が家族以外と話したのは、おそらく今日が初めてだよ」

女性「いつも、仲良くしてくれる人がいたらいいと思って
こういった私たちの趣味の集いに連れてくるのだけど。あの子がたった一人で人と話すなんて・・・」


そう言うと、泣き出す女性


話を聞くと、男の子はどうやら身体のことでいじめられたのをきっかけに
どんどん内気になってしまってたようです



男性「息子たちは他の子のことで手一杯で、あの子に見向きもしないんだ。嘆かわしい。」

女性「私たちにとっては、初孫なのは変わりないの。だから一番可愛いのよ」



なるほど、子や孫を思う気持ちは

どこの国でも似たようなものですよ


男性「私達はあなたたちに何かお礼をしなければならない。どうだろう?」

私「お礼をされることはしてないですよ」


女性「そんなことないわ。可愛い孫の楽しそうな顔を見られたんですもの。
あなた、10月に産まれたあの子はどうかしら?」

男性「ああ、それがいい。どうだろう?馬を贈りたいと思うのだが受け取ってもらえるかね?」







い、いらないっ


そんな大きくなるの、飼えない


アン「生き物を簡単に人に譲ったらダメよ。大切に育ててあげて」


男性「そうか・・・」


女性「なら、レストランはいかが?」


私「あまり外食しないんです。お気になさらず」


女性「そうじゃないの、1軒いかが?お譲りするわ」


レストランを譲る


アン「どういう意味?」

女性「私たち、○○というレストランを経営してるの。たくさんあるうちの1軒あなたたちに経営をお譲りしたら
あなたたちが喜んでくれるかしら?」
イギリス在住なら誰もが知ってるお店です


いっいらないっ


そんな高価なもの、余計いらないっ



男性「・・・困ったな。」


私「私たちはお話が出来ることを喜んでます、お礼は望んでません」


男性「なら、家はどうだろう?ロンドンの○○という地区に
少々古いんだが家がある。そこはマーケットも近いし公園もすぐだ。」


女性「それがいいわ!もちろん税金はこちらが払うわ、いかが?」




いっ家



とんでもなくいらないっ




アン「私達は物乞いじゃないわ!」

男性「もちろん、君たちをそんな風に思ってないよ。しかし・・・」

アン「あなたたちが私たちと対等なお友達になる、っていうのはどう?」

女性「どういう意味かしら?」

アン「私達はお金持ちでも継承者(爵位所持者)でもないわ。だからこの国ではあなたたちのほうが
信用はずっと上。
でも、私は人間としてはとても優れてるとわかってる。優しい人が好きだし、外見はただの飾りだとわかってる。
そんな私たちを、あなたたちが友達と認めるのはどう?命令したりされたりする関係じゃないの」


男性&女性「それは名案だね」





・・・アンの図々しさと機転のおかげで


家やら馬やらをポンとくださるような方が


我が家お友達に、なってくださいました


とりあえず、(ミスターやミセスといった敬称を抜く)ということは

かなり親密でなければ、タブーな行い


男性「早速、実行してくれ。でないと我々が君たちの友達だと大声で宣伝できないからね」


と、夫婦そろって行動も早く

リリー男の子がお手洗いから戻ったときには

アンも私も、この夫婦を敬称なしで呼ぶように




そんなご夫婦のおうちに、今晩お呼ばれしてきます



我が家の下の娘は、そろそろ国会議員になっちゃうかもしれない勢いで

毎日を生きています

このデジログへのコメント

  • 2019年01月15日 11:02

    そろそろ かもですね♪

    将来が楽しみですね(^_-)-☆

  • め が ね 2019年01月15日 13:02

    将来が楽しみですね

  • ユウーージ 2019年01月15日 15:17

    人に対して分け隔てなく接するのは、なかなか出来ないことだから…そのままでいて欲しいな(^_-)

  • JSHINさん 2019年01月16日 19:20

    娘さんの人としての大きさに感嘆です

    将来は国を超えて国連事務総長にでもなっちゃいそうですね^^

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