心の穴。

離婚。
それまで味わった事の無い胸の痛みと苦しさ。
怒りなのか悲しみなのか、やり場の無い感情に押し潰されそうになったのを覚えています。

何が悪かったのか、誰が悪かったのか。
こうすれば良かった？ああすればこんな事にはならなかったのか？

答えを出せば自分自身を抑えられる、そう思って必死になって。

誰にも相談出来ず、誰にも頼れず。

忘れる事も消化する事も出来ない。

ただ時間が経つのを待って、痛みが薄れるのを待って。

前に進める様になった頃には、強がって仕方ないさなんて。

でも、整理がついて前に進めたのでは無かなったんだな。

痛みや苦しみ、悲しみや怒り。
心に穴を開けて置いてきただけ。

立ち向かう強さが無かったから捨ててしまったんだ。

塞がらない穴を見ないふりして、穴なんて無いよと周りに強がって。

人として大切なモノが欠落したまま生きてきた。

自ら切り捨てたモノなのに、
また手に入れられると思ってる。
今度こそ大丈夫なんて考えてる。
馬鹿だ、本当に救いようのない大馬鹿だ。

埋めて痛みを忘れるのでは無い。
痛みに向かい合え、傷んだ心も一緒に抱えて進むんだ。

穴の開いた心も傷ついた気持ちも、全てを暖かく包んでくれる人と出会うまで。

痛みから学んだ優しさを、真っ直ぐに向けられる大切な人に出会うまで。