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「危険なプロット」レビュー☆

2013年10月03日 01:15

「危険なプロット」レビュー☆

ファブリス・ルキーニ主演他。高校国語教師ジェルマン(ファブリス・ルキーニ)は、凡庸な生徒たちの作品に辟易する毎日を送っていたが、ある日生徒クロード(エルンスト・ウンハウワー)が書いた文章に心をつかまれる。クラスメイトとその家族を皮肉な視点で綴ったものだが、ジェルマンは人間観察の才能を感じ取り、クロードに小説の書き方を手ほどきしていく。次第にクロードの紡ぎ出す物語に絡め取られたジェルマンは‘続き’を求めて歯車を狂わせていき―。教師と生徒の個人授業は、いつしか息詰まる心理戦に変わる。人間の持つ毒と日常に潜む狂気を、ユーモアを交えて炙り出す極上の知的サスペンス

8/10点!!ほぼ全編が、クロードによる朗読のみでストーリーが進み、音楽も予告編で流れている1曲くらいで、ともすれば、単調になってしまう作品なのですが、日常にある禁断の果実たちを描いた監督の思惑にハマり、ぐいぐい惹き込まれます。見てはいけないものを見たい覗き欲とか、手を伸ばせば届きそうな距離にある隣りの芝生を欲する欲望や、何かに魅せられた時の狂気といったものが、ジャルマンとクロードを通して描かれ、自分の中にあるそういった欲望や狂気も、ビリビリ刺激されます。16歳の少年の持つ性や歪み、暴力性の危うさを、エルンスト・ウンハウワーが、粗削りだけど大胆で色香のある演技で演じ、少年の危うさを秘めたまま大人になってしまったジャルマンを、ファブリス・ルキーニが、純然たるな演技で受け止めています。脇を固めるエマニュエル・セニエや、クリスティン・スコット・トーマスも、しっとりした演技で、エルンストくんを支えていて、彼らのおかげで、クロードというキャラクターの魅力が、ぐんと上がったように思えます。エルンスト・ウンハウワーという若手俳優さんは、素の表情とこの作品で見せるシニカルな色気の差が凄いので、末恐ろしい俳優さんです。結末は、予告編本編の初めの方で、読めてしまうので、驚きは少なかったですが、終始、人間の本質というよりは、自分自身の本質を炙り出され続け、しかし上品に香る、フランス映画の深みを味わえるフランソワ・オゾン流贅沢サスペンス映画です。2013年公開。

このデジログへのコメント

  • ユリ 2013年10月03日 13:38

    > GRAYさん
    ジリジリ刺激されるんですよねーGRAYさんは繊細なのですね。何度でもトライしてみてください(^^)

  • ユリ 2013年10月05日 08:57

    > rapportさん
    オゾン監督大好きなんです♪でもオゾン監督ファンとしては少し物足りなかったけど、普通にみたらとても重し白い映画だと思います。

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