雨に打たれて、風に吹かれて

7月の終わり夕方5時、遠方に暮らす彼女に会うため広島空港へ向かった。その飛行機は出発予定がすでに20分遅れていて、到着地の天候次第では近県の空港に着陸する可能性があるとアナウンス。電話で彼女に伝えると「着陸が近県だったら車で迎えに行く」って。どこか温泉にでも泊まって翌日観光でもすればいいかって思っていたけどどうにも現地の天候が悪いらしく欠航決定。彼女はものすごくショックだったみたいだけど無理してまで行こうとも思わず、全額払い戻し金を受け取り広島市内の馴染みの店へ。一人で飲んでると遠い昔の彼女”洵奈”から偶然お誘いのメールを受信して、「一人で飲んでる」事を返信すると今から会いたいだって。ラッキー！いつもの後輩がやっているバーに場所を変えてなんだかんだ愚痴を聞いてやる。俺の彼女の一人だと勘違いした後輩が作ってるのは所謂”女を落とす酒”。危険な酒にも関わらず洵奈はペースをあげてやがる・・・。25時を過ぎた頃、旦那もいる事だし家に帰るように即してはみたけど余計にまとわりついてきた。離婚間近な夫婦関係らしいけど、きれいに清算が終わってない女って事は不倫になるわけで、そんなモノには興味ないッス。それでも洵奈はすっかり火が付いちまっていて大変だった。結局朝まで一緒に過ごしたけど、結婚や離婚を紙切れ一枚、ものすごく簡単なものだと思ってるみたいでつまらん女になってた。辛い想いもしたんだろうけど自分の人生に於いて消せない”Ｘ”バツが刻まれると言うのに。強がりも少しはあるって事を踏まえた上で、その意味をきちんと受け止められる女だと思っていたからショック。東京で一緒に暮らしていた頃は一途ないい女だったのに。
結局なんだかんだ疲れた一日だった。