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体脂肪を燃やす「褐色脂肪細胞」

2012年11月12日 02:04

われわれの身体に付く脂肪は、脂肪細胞の中に貯えられる。皮下や内臓の周りなどに直接脂肪が蓄積されるわけではない。脂肪細胞が多いほど太りやすいことになる。しかし、脂肪を貯える代わりに燃やす働きをする脂肪細胞も存在することをご存じの人も多いだろう。


脂肪を貯える方の脂肪細胞は「白色脂肪細胞」と呼ばれ、体温維持などを目的として脂肪を燃やす方の脂肪細胞は「褐色脂肪細胞」と呼ばれる。「褐色脂肪細胞」が多い人はエネルギー代謝が高く、太りにくいことになる。だが、「褐色脂肪細胞」は、その量がきわめて少ない。乳幼児期に100グラムほど存在するが、成人になると40グラムほどに減ると言われている。

われわれの身体に40グラムしか含まれていないとしても、「褐色脂肪細胞」を積極的に冷やすなどすれば、代謝促すことができダイエット効果が得られるはずである。で、「肩胛骨付近に褐色脂肪細胞が多いので、そのあたりを冷やすとやせる」などと話題になっていた時期もあるようだ。

「褐色脂肪細胞が多い部位」をググってみると、"褐色脂肪細胞は背中側に多い"とする情報が多数ヒットする。しかし、最近の米国での内分泌学研究によると、背中側ではなく、胸側に多いことがわかっている。褐色脂肪細胞を働かせるために冷やすべき部位は、背中ではなく首もとから胸もとにかけてなのだ。

ハーバード・メディカル・スクール准教授およびジョスリ糖尿病センター所属のアーロン・サイペス医学博士が2009年に内分泌学会で発表したところによると、ほとんどの成人は、首の前面から胸にかけての部位に、ある程度の量の褐色脂肪細胞を有している。

サイペス医学博士率いる研究チームでは褐色脂肪細胞に関する研究をさらに重ね、先日ボストンで開催された第95回年次内分泌学会で、その結果を発表した。その内容を簡単にまとめると以下のとおり。

•褐色脂肪細胞にのみ含まれているタンパク質UCP1(uncouplingprotein-1)を手がかりに褐色脂肪細胞の分布を調べると、脂肪層の表層より深層に多く存在していることがわかった。


•褐色脂肪細胞が多い領域は存在するが、褐色脂肪細胞だけが集中しているのではなく、脂肪を貯える白色脂肪組織とマーブル状に混在している。


•褐色細胞の成長を促進することは可能と考えられる。ある患者が手術を受けた際に首付近から前脂肪細胞(未成熟脂肪細胞)を採取し、実験室で培養したところ、約2週間で前脂肪細胞から褐色細胞を培養することができた。体内では、もっと速いペースで褐色細胞が生まれていると考えられる、とサイペス医学博士は言う。


•さらに別の実験を行い、褐色脂肪細胞がどれだけのカロリーを燃焼させるかを測定した。培養した褐色脂肪細胞と、ボランティアから採取した実組織の両方で酸素消費を測定したところ、褐色脂肪細胞が大量のカロリーを燃焼させることが判明した、という(具体的な量はソースとして参照している記事に記述なし)。褐色脂肪細胞とは、まさしく「熱を生成してカロリーを消費する器官」であるとサイペス医学博士は強調している。


•褐色脂肪細胞の成長を促進すれば、肥満治療に大きな効果を期待できる。だが、従来の食事療法および運動療法に代わるものにはならない、とサイペス医学博士は見ている。「褐色脂肪細胞がカロリー消費に効果を発揮しても、人はついつい食べ過ぎて、いとも簡単にその効果を上回ってしまいがちなわけですから」と。


筆者が予想するに、患者の首もと/胸もと付近から前脂肪細胞を抽出し、それを体外で褐色脂肪細胞に培養した後、患者の体内に戻すなどの治療法がこれから研究されていくことになるのではないだろうか。

まあ、美容と健康のために褐色脂肪細胞を役立てたいと思う人にとっては、そこまでたいそうな話ではなく、首もとから胸もとに多いことがわかってきた褐色脂肪細胞をうまく駆使できれば十分だろう。やはり冷やすのがよいのではないだろうか。

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