ｾｶｲｶﾞgood-bye

ボクは今とても自由だ。
なぜならば春には消えるとわかっているからである。
明確な春の始まりは分からないが、とにかく春にはこの世の中のどこかで、何らかの形式に従って、融けてしまうのだ。
それまでは、秋の物淋しい光や冬の肌に染み込む寒さ、人間達のいやらしい感情、モカ・マタリの後味、明日どこかで起きる事件、そしてあなたの文章…
そういうものを存分に楽しもう。残り火の温かさと儚さと弱々しさを消え失せる最後の瞬間まで味わおう。
あなたはボクに名前をくれました。ボクはあなたに何をあげられるだろう？。ボクが感じること、考えることなど所詮は無意味なこと。あなたにうまいコーヒーをご馳走することも何もボクにはできない。

ボクはあなたの空想とボクの現実とに濾過されて、抽出されて、透明な結晶になるだろう。
ボクは誰にも見られず、感じられず、静かに消えていくだろう。


どんな人生も素晴らしいと思う。