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【魔法少女っ】18-3、迷う魔法少女

2011年06月25日 20:17

夏に雪の降る怪異は日本全国に起こっていた。
もちろん、魔法少女たる三人も知るところとなる。
しかし、そのひとり、高瀬小春はこう言いはなつ。
「敵さんも、たまには良いことするじゃない」
そこに猛反発したのは羽前千歳だった。
「そこに罠があるのですわ。おかしい事は起きてはならぬのですわっ」
ネオバビロニア帝国=悪、がサラによって千歳に叩き込まれたのだろう。清澄茜はそこにある頑なさを感じとっていた。
「一理あるです。でも、おかしい事は、あってもいいんじゃないでしょうか」
「んなっ!」
「たったひとつの、決まり決まってる答えを強制するのならば、それはバビロニアと変わらないと思います。時には、融通を利かせるのも必要ではないですか」
「うくっ」
「茜、あたしにはなんかわかんないけど、良いこといったのはわかるよ」
小春はそういうと、千歳のボブヘアーな頭を撫でた。
千歳はキョトンとする。論争に負けに見える自分をなぜ小春は撫でたのかと。
「おかしいことはあっても良い。でも結論は急がなくていいんだよ。まずは実際にはどうなってるかを見る。それでいいんじゃない?」
この怪異がネオバビロニアの仕業であると決まったわけでもないのだ。
廊下に出ようとしたが、小春はふと足を止めた。
「手がかりも心当たりもないや。放課後にしよう!」
どてっ。
茜はこけた。

一方その頃。
「おっせーなあ、魔法騎士ども。やっぱり、悪さしてないと来ないのかい」
待ちくたびれたサダム公園のベンチにへたりこんでいる。
「スノースノー!」
怪物、スノーマンネガイナーはただ単に雪を降らせるだけで、何の実害も起こさなかったのだ。

続く!

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