彼女の特権

昨日、男友達が連絡してきた。

彼女が出来たから会わせたいと。

彼とは学生時代からの知り合いで　お互い何でも話せる友達。

彼が想いを寄せていた彼女とやっと、通じ合えたようだ。

彼が惚れこんでいる女性に会えるのは私も悪い気はしない。むしろ、彼に彼女が出来て嬉しいくらい。

いつもよりも丁寧に髪をセットし、着ていく服に迷い、何度も鏡でチェックする。
まるで、デートにでも誘われたかのように。

彼が迎えにやってきた。

そう、いつもなら助手席には私。

そっか、助手席は彼女のシートになっちゃたんだ。

食事に行っても、彼女は迷わず彼の隣の席。

あらためて正面から見た彼女はとても綺麗で、感じのいい女性だった。

私はホッとした。

彼は大切な友達。将来を共に歩んでいけるほど長く幸せでいて欲しいと願う。

でも、私の中で急に彼が魅力的に見えるようになってきたのも事実。

奪ってやろうとかじゃなくて、大切なものがある人には違った魅力を感じる。

男として見ることのなかった彼が、急に男性として見えるようになった。

彼女が席を立つ。

「どう？」と、彼。

「やるじゃん！」って、私。

彼には本当に幸せになって欲しい。心から願う。

帰り道、車に中でボーっと考える。

そう、彼女の特権とは…何よりも　周りのみんなが○○の彼女と認めてくれることなんだろう