遥かなる河

あれは俺が１６の時だ

俺の住んでる所は北海道の田舎町
そう北の国からの舞台になった町だ

娯楽施設なんてものは
ボーリング場とパチンコ屋くらいなもの

やる事なんて限られる
オネーチャン相手に猿になるか
バンドで青春を謳歌するか
隣町のスナックに飲みに行くか

拾ってきたエロ本かプレイボーイ、平凡パンチ片手に

朝から晩までオ〇〇ーしてるか
そんなものしかない
とーぜん
バイクは外せない

ただ
中学の頃からバイクを乗り回し補導もしばしば
しかも、この頃からバイクの免許所得の条件付けが厳しくなり
俺が通っていた高校もバイク免許は禁止

そーでなくても無免許で数回捕まってたから
免許を取っても即免停

それでも乗りたいものだから、乗ってしまう
過去は振り返らない、男らしい性格だったし

家の近所には年上の幼馴染が結構いたし
農家ばかりだし
みんなバイクを持っていたので
いつでも乗れる状態
田舎町はおおらかだから
黙って乗っていっても怒られない
タイプも色々スーパーカブからCB７５０まで選り取りみどり

今、考えたら、俺の周りの環境が悪かったんだな・・・・・・・・・
その日も、何時ものごとく近所の家に行き
勝手に
スズキのハスラー４００を借りてきて
乗り回してた

良いだけ乗り回し
家の近くまで戻ると・・・・・
家の前の道路に見慣れたツートンカラーの車が！！
その横には我々の税金で仕立てたであろう紺色の服を着たオジチャンが立って<br />
コッチを見ている様子・・・

ゲッ！！やばい！！
俺は見つからない様にUターンをし
そ～～～っと、後ろを振り返る
オジチャン慌てて車に乗り、こっちに向かって来た

もう、それからは必死になって逃げまくった
これが秋だったら田んぼの中に入って逃げ切れるのに
時は８月！！！！今田んぼに入ったら農家のオジチャンに殺される
俺的にはそっちの方が怖い
これは、堤防しかないと空知川の方に逃げた
んが！しか～～～し！！いつのまにか堤防道が拡幅され綺麗になってる<br />
しかも砂利道！！四輪だと平気だが二輪はキツイ


もう、これは向こう岸に渡るしかないと思い
向こう岸まで約５０Ｍ
自分の記憶では、この辺は浅い筈と思い
川へダイブ！！
おぉー！！いけるぞ！！
だが、３Ｍも走らないうちに
ガボッ！！ガボッ！ブクブクブクブクブクブクブクブクブクブクブクブクブクブク・・・・・・・・

なんでじゃ～～！！やたら深くなってるブクブクブクブク・・・・・・・・

こりゃ！！死ぬな！！溺れる！、ヘルメットはぬげないし！！
あぁ～～～～～～～～～・！！！・・・・・・・・・・・・・・

結局、俺を追っかけてきた、おまわりさんに助けられ（ありがとう、おまわりさん）

びしょ濡れのままパトカーに乗せられ本署まで連れて行かれた・・・・・・・・

後で聞いた話だが
確かに俺が渡ろうとした場所は浅かったのだが
最近まで採石工事をしてたらしく、水深が５Ｍ位になってたそ～～～だ
んな事聞いてね～～～よ！！
大体が許可した覚えね～～し


後日家庭裁判所から８回目の呼び出しが来た
因みにバイクは今もなお川の底で眠ってる