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それは一本の電話・・・(13)

2006年07月12日 15:37

2000年3月。

それは一本の電話だった。

「もしもし・・・?ゆりこ?」
まだ23時だ。
こんな時間に仕事が終わってた例はない。

「Max。今日は早いのね。まだ仕事中なの。
 1時頃なら帰ると思うけど・・・こっちから連絡する?」
「いや・・・いいよ。今日はもう寝るから。おやすみ」
「おやすみなさーい」

???
私の仕事が終わるのは、いつも日付変更線直前なのに。
そんなことMaxだって知ってるはずなのに。
嫌な予感が胸を過ぎる。気のせいならいいんだけど。

翌週、再び電話が鳴った。
「ゆりこ・・・俺、結婚するんだ」
「・・・え???」
混乱した。いったい誰と?
っていうか、いきなり結婚

「だから、別れてほしい」
「誰と?」
「会社の・・・」

ああ。Janet、か。
ふぅ、とため息が漏れた。
彼女の噂は聞いていた。Maxの友人達から。
Maxの条件目当てで、本性を隠して狙ってるって。
あからさまで見苦しいって。
周りにも彼の条件だけが魅力だと言っていると聞いてるわ。

「本気なの?」
子どもができたんだ。だから・・・」
電話の向こうの声は涙で震えている。

そうか。仕込まれちゃったか。
「Max、あまりいい噂を聞かないわ、彼女のこと。
 でも本気なのね?私と別れるのね?」
「ごめん」

ああ。
持ち直せなかったのね、私達の関係は。
Max、あなたは知ってたのに、
どうしてもっと早く教えてくれなかったの?
こんな風に腐りきってしまうまでに。

「わかった。おしあわせにね」

さようなら。

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