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この冷たい雨は「氷雨」だな

2009年02月05日 10:11

この冷たい雨は「氷雨」だな

このところ日中温度は氷点の上辺りに留まっているのに風が吹いたり雨が降ったりするから寒いというより冷たい。

そんな日、朝起きたら、というより正確には午後寝床からノソノソ這い出して下に降りて台所にある空のビール瓶を摑み木靴を履いて小さな裏庭の奥にある物置に持って行き、代わりの新しいものを持って来ようと思い外に出たら細かい雨がふっていてそれがゾッとするほど冷たかった。 寒いのはいいけれど冷たいのは困る。

雨のような、溶けつつあるような氷が実際まじっているようでもありとえも冷たい。 そのとき「氷雨(ひさめ)」という言葉が頭をよぎったのだ。 これが細かい雪の芯が降っていれば「雪」であるし、威勢良く氷の粒となって落ちてきていればアラレ(霰)だろう。 夏でも突然落ちてくる小石状の塊であればヒョウ(雹)なのだから一瞬頭の中をよぎったのはじゃ、これを何と呼ぶのか、という疑問だったけれど、せいぜいこれは雨じゃない、雪じゃない、霰でも雹でもない。 では、ミゾレ(霙)か、というとミゾレはカキ氷のミゾレを喰うときに概ね食べてしまって容器の縁あたりのラインで半分溶けた色のついた氷水をスプーンでかき混ぜるときにじゃりじゃり、さくさく、というそのイメージが強く、だから、ミゾレというのは雪がある程度積もり、しかし溶けたところに降る雨混じりの雪、というような思いがある。 根拠はたいしてないが、、、、。 

けれど、そういう言葉も含めて無意識に選んだのだろう。 突然、「氷雨)ひさめ)」という言葉が浮かんできたのだ。 それまでにあれではない、これでもない、と候補の言葉を削除して消去法で残った結果なのだから自分ではこれでしっくりいっている。 それに、ここでもっとも大切なのは、「氷雨(ひさめ)」以外の言葉では今、体の芯までゾッとするような冷たさの体感に訴えるようなものではなく、主にこの「ゾッとする冷たさ」が「氷雨」決定の要因になっているように思う。

冷蔵庫の中のものより冷たいビール瓶を二つ摑んで台所に戻ってからネットの辞典で「氷雨」を調べたら面白いことに「冷たい雨」というのがあって、おまけに雹や霰もこの中に入っていた。 氷雨というのは広い範囲をカバーしているのかもしれないが私の勝手な感じでは雹や霰は別物だ。 氷雨とは夏や冬の冷たい雨、という定義もあって驚いた。 夏かあ、まあ、突然の夏の雨で縮みあがるような冷たい雨、というようなこともあるのだろうか。 それに、宮沢賢治が経験したような東北の冷たい夏に降る雨は実際に氷の雨だったのかもしれない。 

他にも大きな辞書を調べても大体このように収まって意外なことも幾つかあったが既知の部分が多く、分ったような分らないような気分だったのだがビックリしたのがあった。 読んでいて面白い例が沢山ある三省堂新明解国語辞典第四版の記述は、「(雅語)あられ、雹。 (秋の)冷たい雨」、ということだ。 「秋の」?! ここでは夏も冬も除外されている。 霰や雹が冬にだけ降るものとしているのだろうか、もしそうなら(秋、冬の)冷たい雨、という解釈が出来るのかもしれないが、実際、霰や雹は夏にも降ることはある。 少なくとも北海道の気候に似たここ、オランダでは。 東北でも似たようなものだろうと思うけれど、生まれ育った大阪南部ではどうだったろうか。 はっっきり言えるのは夏に雹が降ったことはおぼえているが霰となると確かではない。 いずれにせよ三省堂の新明解の説明には何か受け入れがたいようなところもある。 秋の冷たい雨、か。 今は豆まきも済んだ寒中なのだ。 秋ではありえない。 これは「氷雨」ではないのだろうか。 

一本を冷蔵庫にしまい、一本の栓を抜いてそのまま口にビールを運んで幾分かを飲み下したらその冷たさに体がぶるぶる震えてその後噛んだクロワッサンバターの甘さが充分感じられなかった。 私にはこのぞくぞく体が震えるほどの冷たさと溶けた氷が雨のなかに混ざっているものが「氷雨」なのだと思う。

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