大人の玩具とかで

　そういうもののお世話になってから眠った。誕生日だったのに。

　食後、帰り道でそのことをぼやいていたら、連れの男の子が「じゃあ俺が」と言い出したのでひどく幻滅した。数年来の友情にヒビが入った気がした。

　猥談したりするのは私が相手を異性と見なしていないからで、「さもしいよなぁ」って苦笑いできるのもやっぱり同じ理由。
　でも向こうは、その気になればその気になれるらしい。

　分からん、ほんまに分からん、「恋人とかあり得へん」って言い合える仲やから友達付き合いが今まで続いたんやろ？

　でも男は上半身と下半身が別々のイキモノだと聞くから、上半身が友達のまま、下半身だけ恋人になるとか器用なこともできるのかも知れない。



　私は、上半身と下半身でひとつのイキモノだ。大事な友達を性欲の処理に使う勇気はない。確かに人肌恋しいとは思うけど、数少ない友人を体温のあるバイブとして扱う事はできない。

　だから「君のことはそういう『好き』やないし」と返したら、「なんや当たり前やろ」ときた。

　そりゃセックスフレンドという選択肢だって無くはないけれども、相手は男で私は女だけど、そういう要素を排して付き合えるからこそ居心地のいい友人だったワケで。

　残念だなぁ、お前とはもう絶対にファーストフード以外食いに行かねぇよ。と心の中で勝手に誓った。