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D ~罪音~

2015年10月20日 22:16

1時間程待ってやっと電話が鳴った。

「上がってきていいよー」


面接長いな。

と思いながらエレベーターホールへ向かうと、どうやら先にボタンを押し待っている人が。

40代後半くらいの女性で青のワンピースを着ている。上品な感じではないが女性の色香のような物を感じられる。

エレベーターが一階に止まり一緒に乗り込む。

女「何階ですか?」

と尋ねながら7階のボタンを押す。

「一緒です。」

と答える。

おそらく行き先は一緒だろう。


7階に着きエレベーターが開くと彼女は足早に去っていった。

ついて行く形だったがやはり事務所のドアの前でインターホンを押している。

自分が近づいて来るのを感じとり、


女「一緒?」
T助「はい。今日からお世話になります。T助です、よろしくお願いします。」
女「車上にあった子ね。こちらこそ。」

どうやらすでに東が話をしているみたいだ。

ドアを開け中に入ると…

東「おはよう!リサさん。」
リサ「おはようございます。車上の子も一緒ですよ。」


と笑っている。

東「自己紹介終わったかな?実は今電話があり早速だが2人共出番だよ。」


と言いながら東が地図を手渡してきた。

東「ここのホテルに行ってくれ。ちょっと急ぎ目で。」

返事をする間も無くリサが部屋を出て行ったので、急いでついて行く事に。

幸いエレベーターは7階で止まったままだったのでスムーズに1階まで降りれた。

急いで車に乗り込み地図を確認。

10分くらいで行けるだろう。


最初の信号待ちでリサが話しかけてきた。

リサ「T君。どこの出身?」
T助「何でですか?」
リサ「方言すごいもん。イントネーションが全然違う。」

と笑っている。

T助「T県です。」
リサ「T県ねー遠いね。」

と遠くを見つめている。

リサ「今何歳?」
T助「19ですが。」
リサ「ちょうど一緒ね。おばさん息子と。」

声のトーンが変わった様な気がした。


リサ「おばさんね。こんなんだから息子が小さい時に家出てったの。だけど、ずっと仕送りはしてるのね。」


リサ「私の罪滅ぼし…」


そう言うと彼女はまったく話さなくなった。


現場に着き彼女を車から降ろすと…




「色々思い出しちゃった」



そう言うと彼女は小走りでホテルへ向かって行った。


続く

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