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14th Roppongi Part 11

2013年03月03日 19:42

14th Roppongi Part 11

メールで連絡をとりあった。
そして出会ったのは、
静かな狂乱の夜から2か月ほど後だった。

緊縛されてよがっている写真
送ってくるくらいだから
明らかに淫らな女のはずなのだが
外見からはまったくうかがえない。
むしろ凛としたOLの風情だった。
確かにメールから推測すると
IT系のコンサルタント会社のようで
しかもそこの社長秘書のような
仕事をしている風情だった。
それでも人妻だという。
その落差が強烈なだけに
淫らな行為がいっそういやらしく見えた。
広尾ワインバーで
軽い食事と軽いドリンク
こんなとき飲めない自分は
とても情けなく思う。
人生の半分は損したような気分だ。

今日もシガリロだった。
今日もアクアデジーオだった。
今日もすっきりとしたファッションだった。

だが、わかっていた。
その下には性器に食い込むTバックを履き
その小さなクロッチの前を
既にしっとり濡らしていることを。
「何色?」
それだけでわかる。
「紫。でももう黒くなってる。」
高めの椅子に取り付くように座っているから
タイトスカートの下に簡単に手が入った。
ガーターストッキング
そして確かにじゅるりとした手ごたえがあった。
「ほんとに濡れてるよ。」
そう言うと、この間と同じように
湿った指をさりげなくしゃぶる。
「ああ。やだ。」
「この間と同じ味がする。」
「いや。」
そう言いながらグラスを飲み干す姿が
やはり、さまになっていた。

若い頃のように先を急ぐことはなくなった。
だから、たとえここで
「さよなら」になっても悔いはない。
ゆっくりと流れる時が楽しめれば
それだけでもよくなってきている。
そう書けば恰好はつくが
逆に老いを感じてため息が出ることもある。
目をぎらつかせて
むんずと女の手をとってでも
セックスに連れ込むような余裕のない欲望
かえってうらやましいから不思議だ。
「あれから何度か行った?」
「うん。細いのも太いのもあった。」
「酔っ払ってそのまま朝まで寝てたりもした。」
こんな危険な会話をはさみながら
しばしとりとめのない時間を楽しみ
時に太腿に這わせた手の感触を楽しんだ。

表通りで車に乗り込んだときには
もう人目も構わず
唾液をむさぼりあっていた。
キスを交わしながら
アクアデジーオの香りを思い切り吸い込む。
別れた女との狂ったような情事がよみがえり
手がおのずと動いて
スカートをまくりあげていた。
乳房をもみながらTバックをずらして
濡れた性器に指を入れ込む。
さすがに人通りのある路上に停めた車の中で
カーセックスはできないが
淫戯をしばし楽しむ。
この女も少しもためらわずに
こちらにこたえている。
ズボンの上からだが
たかまりをなでまわしているのだ。
ようやく車を出す。
といっても10分足らずで目的地に着く。
だが、その短い間で
こちらの手はべとべとになっていた。

少し離れた目抜きでは
再開発が進行しているのだが
今夜もその一帯は静かだった。
誰何され、会員番号をつげると
重々しくドアが開くのも前回と一緒だった。
カップルで来たことに
マスターが意外そうな顔をする。
こちらが日本を離れている間にも
何度かここを訪れている常連の女と
殆ど一見でしかない男の組み合わせは
確かに意外なのかもしれない。

この間と同じように
カウンターの席に着く。
バーテンの他に
まだうら若い美女カウンターの中にいた。
あどけない顔をしていて
とてもそうは見えないが
この娘も興が乗れば縛られて
カウンター性器を晒すのだと言う。
他に客はいなかったが
聞けば螺旋階段の下の例のスペースには
3組ほどの客がいると言う。
確かにときどきあえぎ声が聞こえてきていた。
そんな声に触発されるように
隣りに座る女のスカートの中に手を入れる。
さりげなく話しながら
車の中では届かなかった部分にまで
中指を入れてかき回し
とがり始めたクリトリスをさすった。
女の手も
今度はこちらのジッパーをおろし
メンズTバックから
硬くなったペニスつまみ出すと
ゆるゆるとしごく。

意図的に取り澄ましたカウンターの上の
会話の交錯。
ひどく欲望をぎらつかせたカウンターの下の
指技の交錯。

カウンターの上のアルバムの束に
この間はなかった新しい一冊が追加されていた。
何気なくめくると
この間、うっとりとした目で
こちらの淫れかたを見つめていた
あのゴージャズな女が
何枚かの写真になっていた。
カウンター席の後ろのスペース、
プレイスーツをつけたトルソが並ぶ場所で…
下の階へと続く非常階段のなかほどで…
そして、露出しながら性交するベッドの上で…
最初は、
これまたゴージャズで小さな
ランジェリーをのぞかせて
男にもてあそばられ
次には、乳房を吸われながら
Tバックの前に自らの指を這わせ、
そして、ついにはアクセサリーだけをつけた全裸
よく手入れされたヘアの陰から
性器を惜しげもなくさらし
何人かの男とつながっては
喜悦の表情を晒す、
そんなプロセスがはっきりと映っていた。
この間は見学だけだったはずだが
やはり、ここの妖しい雰囲気
呑み込まれたのだろう。
それにしても大胆だった。
ネットに流出したらとんでもないエロ写真だ。
もし雰囲気どおりにタレントだったりしたら
どうするのだろうか?
「このお客さん最近よく来ますよ。今日もたぶん。」
マスターの何気ないつぶやきを聞きながら、
この写真に触発されたかのように
指を回転させるテンポをアレグロに速めた。
「ああ。またこの指が。」
「抜く?」
「いやっ。抜かないで。」
そう言いながら
もっとかき回しやすいように脚を開いてくる。
ちらっと下を見るとスカートは完全にずり上がり
紫のガーターと小さなパンティのぞく
その前の黒いシミと濡れた太腿の一部までが
目に飛び込んできた。
凝ったレースの使いようは
写真の女にも劣らない。
じわり、じわりと性感が高まってくる。
やがてたまらなくなったのか、
隣席から倒れこんできて
しごいていたペニスを口に含んだ。

口に残っていた冷えたウィスキーがたらりと伝わり
アクアデジーオの香りが一段とたちのぼった。
また狂気の夜の始まり…

(続く)

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