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恵理香 27-私の娘

2011年03月22日 00:12

恵理香 27-私の娘

俺が大きなベッドで目を覚ますと、恵理香はもう居なかった。
そう、引越しで、いの一番に買ったのがこのベッドだ。
そこいらのラブホテルのベッドに負けない大きさ。

「こんな大きなのにするの?」
「ああ、恵理香がのた打ち回っても良いように」
「あたしは静かにして動きません」
とんでもない
最近は動き回り、付いて行くのが大変だ。


キッチンで何やら作っている。
おはよう。今ご飯持っていく」
今朝は和風の朝食だった。

「食料品の買出しに連れてって」
という訳で、何時ものスーパーへ。
以前に住んでいた所からは、そんなに離れてはいない。
買い物の途中で、真理さんから恵理香に電話が掛かって来た。
今日の午後に犬を連れて来るらしい。

3時過ぎに家のチャイムが鳴った。
玄関に出た恵理香が真理と話している。
俺も少し遅れて玄関に行った。
リードで繋がれた、情けない顔をした子犬が居る。


「恵理香、恵理香じゃないか!!」

俺が外を見ると、中年の少し肥満体型の男が、10メートルほど離れた車の傍から叫んでいた。
そして、小走りに玄関に向かっている。
何故あの男が恵理香を知っている?
どう考えても真理さんのご主人だ。

真理も京介も訳が分らず、ただ立ち竦む。
恵理香の前まで来ると、その男は恵理香の両肩を掴んだ。

「恵理香、私が誰か分かるか?」
「うん、父ちゃん

男は恵理香を抱きかかえる。
そして、恵理香もしがみ付く。
「ばあちゃん、死んでて聞けなかった」
「ああ、家出したと聞いて、私立探偵を雇って今もずっと探していた」

真理はすぐに理解したが、そう言えば娘の名前は聞かなかった。
彼なりの優しさ
前の奥さんの話題も子どもの事も言わなかったんだ。
京介はさっぱり訳が分からない。


貴方、この子が?」
「ああ、私の娘の恵理香だ」


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