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その柔らかな温もり

2011年03月21日 14:02

雨の朝、毛布に包まって目が覚めました。
少し肌寒い
こんな朝は嫌いじゃありません。

その代わり、静かな雨音で目を覚ます日は、何もしたくなくなります。
じっと雨音に耳を傾けていたいのです。
一人、まどろんだ後で、タバコに火をつけてたゆとう煙を目で追います。
高くなるほどに、糸がほどけるように部屋の天井に消えていきます。
窓からこぼれる朝の明るさは、やさしい青い色をしています。

でも、こんな朝は一人の布団が妙に広く感じます。
一人の空気が冷たく肌を包みます。

こんな朝は隣に誰かいて欲しい。
つくづくそんな気持ちになるのです。

隣に眠る人の、腕から伝わる柔らかな温もり。
そのことが、生きていることの幸せを感じさせるものです。
その温もりを感じるだけで、愛する人がいる喜びを感じることができるのです。

こんな冷たい朝は、二人でいつまでも毛布に包まっていたいものです。
学校や会社なんてどうでもいい。
そんな気がしてくるものです。
全ての柵を捨てて、二人、永遠にまどろんでいられたら、どんなに幸せなことだろう。
そんな若い頃もありました。

愛する人と迎える朝。
それは雨の朝が一番お気に入りなのです。

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