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教育勅語のどこが悪い!

2017年03月14日 09:27

この期に及んで国会

親孝行、友達を大切にする、夫婦仲良くする、

高い倫理観で世界中から尊敬される道義国家を目指すもので、

復活すべき」

などと答弁した稲田朋美防衛相はもちろん、
右派評論家連中も
必死で教育勅語と森友学園問題を切り離し、

復活論をがなりたてている。

 さらに、
芸人小籔千豊3月7日の『バイキング』(フジテレビ)で
こんなことをドヤ顔で述べていた。


「僕は教育勅語じたいは何にも悪くないと思います。

なにを教育勅語に関して問題になっているのか、

意味が分からないです。



お父さんお母さんを大切にしましょう、

一生懸命勉強しましょう、

まわりに感謝し、
公の心で社会貢献しましょうみたいなことガッチリ書いてありますよ。


何があかんの。

ええことと悪いことがごちゃごちゃになってると思うんです」

 
さすがネトウヨ芸人

籠池理事長が9日の囲み会見でまくしたてた

教育勅語、どこが悪いん? 

12の徳目、
夫婦仲良く、勉強がんばりなさい、

それのどこが悪いん?」

という主張とあまりにもそっくりで笑ってしまったが、
しかし、これは笑い話ではすまされない。

小籔あたりまでがテレビで堂々とこんなことを口にし始めると、

国民の間に「森友はおかしいけど、

教育勅語は悪くないんじゃ……」なんていう勘違いが広がりかねない。

 だとしたら、
こちらも今更だが、

教育勅語本質をきちんと指摘しておかなければならないだろう。

教育勅語には、籠池も稲田も小籔も意図的にネグっていることがある。

それは、明治天皇の名の下に発布された
この言葉が、

天皇のために命を投げ出す

ことを子どもたちに教え込むものだったという事実だ。

 
漢文訓読形式で書かれている教育勅語は一読しただけでは意味がわからないが、

冒頭、

皇室先祖が国を始めたのは遠い昔のことで、徳を積み上げてきた」「億兆の国民
心を一つにして、代々その美徳を行ってきたこと、

これが国体天皇を中心とした国)の精華であり、
教育の淵源もここにある」ということから始まる。

 この時点で、天照大御神の神話を基とする皇国史観丸出しだが
、勅語はさらに「12の徳目」などといわれている“教え”を列挙している。

 1番目の
親孝行せよ」から、
「兄弟・姉妹は仲良くせよ」
夫婦は互いに仲睦まじくせよ」
「友だちはお互いに信じ合え」
「自分の言動を慎め」
「広く全ての人に慈愛の手を差し伸べよ」
「勉学に励み職業を身につけよ」
「知識を養い才能を伸ばせ」
人格の向上に努めよ」
「世の人々や社会のためになる仕事に励め」
「法を守り国の秩序に従え」

と続く11番目までは、
たしかに小藪の言うように、
当たり前の「ええこと」しか書いていないようにも思える。

 しかし、問題は、

最後の12番目の徳目とされる

〈一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ〉とそれに続く〈以テ天壌無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ〉だ。

これは、

「国に危機が迫ったなら忠誠心を発揮してその身命を捧げ、
それによって、
永遠に続く天皇様の勢威を支えよ」

という意味。

明らかに

国のため、天皇様のために

命を投げ出せ、

と言っているのだ。
その考え方は、

天皇陛下のため」

という言葉で
国民に無謀な戦争に駆り立てた軍国主義思想そのものである。

 
しかも、見逃してはならないのが、

この部分こそが教育勅語の中核部分であるとういう点だ。

〈以テ天壌無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ〉の「以テ」は、12の徳目すべてにかかっている。
つまり、
親孝行」や「夫婦仲良く」とかいう、「ええこと」も、

すべては

永遠天皇様の勢威を支える」

という目的のためにあるということだ。

 そして、教育勅語はこのあと、
「このような心構え、行動が
わたし(天皇)の忠実な国民である

ことを証明し、祖先伝統を表す」と続く。

 
いったいこれのどこが、
「当たり前のええこと書いているだけ」
ということになるのか。

金日成への個人崇拝主体思想を一体化させた北朝鮮小学校教育とほとんど同じ、

天皇崇拝の強制以外の何物でもないだろう。

 
実際、
教育勅語
国民天皇と国家のために身を捧げる教育を目的にしていたことは、
その発布までの経緯を見ても明らかだ。

 
勅語が発布されたのは1890年。
右派論客明治神宮などは、
「道徳の荒廃に心を痛めた明治天皇がご自身のお言葉で親しく国民に道徳のあり方を語りかけ、ご自身が率先して道徳を守ることを決意された」などといっているが、

これはフィクションだ。

旗振り役は、
明治政府の軍事拡大路線を指揮した日本軍閥の祖で、
治安警察法などの国民弾圧体制を確立した、

時の内閣総理大臣山縣有朋

山縣は、
自由民権運動を潰し、
天皇国家神道支配の強化、
富国強兵中央集権体制の確立のため、

自分の息のかかった地方長官会議に建議させ、
井上内閣法制局長官儒学者の元田永孚らに命じて、この教育勅語をつくらせたのだ。

 
そして、国民を誘導するために導入されたのが、
親孝行」「夫婦仲良く」など、
儒教ベースにした通俗道徳の類だった。
教育学者の山住正己は著書『教育勅語』(朝日新聞社)の中でこう指摘している。

「自由民権思想を抑え、日常的に広範な民衆の言動をうまく規制できるもの
である必要があった。

それには

身近にあった徳目を利用するのが近道であった」


 しかも、

その
親孝行
夫婦仲良く」
なども、あくまで
家父長制と男尊女卑明治憲法下のもの、つまり、

女性人権を認めず、
家長である男性に家族全員が従うことを前提としたものだった。

そういった家族や日常生活での道徳を説くことで、
その延長線上にある

「日本全体をひとつの家族とみなしたときの家父長である天皇

に従わせる構造をつくりだしたのが、「教育勅語」だったのである。

教育勅語が大事にしろと言っている
「道徳」や
「家族」
国家に奉仕させるためのツールのような存在だったといってもいいだろう。

 
また、「森友学園のように
小さい子どもに丸覚え、暗唱させるのはよくないけど、
中身じたいはいい」などというもっともらしい意見があるが、

そもそも、教育勅語は、小さい子どもに暗唱させて
体に叩き込むことを、あらかじめ意図してつくられていた。

草案のひとつは内容の問題だけでなく長すぎて暗唱に向かないとの理由でボツにされており、
丸覚え、暗唱という“洗脳教育”と切り離せるものではない。

 
実際にその後、
教育勅語は、
天皇の神格化と国家主義の基盤となっていった。

各学校は

天皇の御真影

とともに

教育勅語の写しを奉納する奉安殿

と呼ばれる聖殿のような建物を建て、
生徒には最敬礼を義務付けた。
そして、
塚本幼稚園園児たちと同じように全文暗唱を強制した。

 先の戦争を引き起こしたのも、

教育勅語を神聖なものとして
子どもたちに叩き込み続けたことが大きく影響している。

満州事変が起き、あの泥沼の戦争に突入していくのは、
勅語発布の1890年に小学校1年生だった第一世代が40代となり、
彼らを親とする第二世代が成人したくらいの時期。

この頃には、教育勅語による洗脳教育が完成され、

日露戦争の頃にはまだ存在していた

反戦の声をあげるような者もほとんどいなくなっていった。

 そして、

日本は無謀な戦争に突入

教育勅語の神格化はさらにエスカレートし、
軍国主義の支柱となって、
国家総動員法や
特攻隊

正当化する神聖な教典のような存在になっていった。

 そういう意味では、
教育勅語はまぎれもなく、

日本国民アジアの人々を不幸におとしいれた

あの狂気の戦争を生み出した元凶のひとつである。

だからこそ、
敗戦後、教育勅語はGHQから神聖的な取り扱いを禁止されただけでなく、
日本の国会反省に立ってその排除・失効を自ら決議したのだ。

 
にもかかわらず、

なぜ、

ここにきて

この危険な本質をネグって

「ええことを書いているだけ」

というような明らかな嘘の解釈が垂れ流されるようになったのか。

その背後には、

教育勅語を復活させ、再び同じように、


国家のために

国民に命を投げ出させる






ビダンで嘘をつく、

ビダン、ダあ~い、スキッ、ニッポンジン


 ギャハハハ

このデジログへのコメント

  • mina.n 2017年03月14日 14:48

    教育勅語、時代にそぐわない。
    そのような人間が、はて?
    何人いるかなぁ~???

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