"The Killing"

オリジナルはデンマークのテレビドラマのリメーク版（アメリカ）です。シリーズ1、2と連続してみました。

いやー、久しぶりに緊張感がピンと張りつめた傑作ドラマです。一人の少女が殺され、それを男女二人の刑事が追うという仕立て。一話ごとに犯人らしい人物が登場するのですが、つぎつぎとハズれ、シリーズ2の最終話にいたってやっと真犯人らしい人物の逮捕にいたるのですが、はたしてほんとにそうかは疑問が残るエンディング。

真犯人への到達が、シリーズ1、2、トータル8話でも終わらないという長丁場に、当初高かった視聴率も下がり気味になり、いったん打ち切りのフラグが立ったようですが、ファンの熱い声で、結局、シリーズ3が撮られ、4も予告されているそうです。

無駄なセリフがなく、役者さんがいい味を出し、シナリオはよく練られていて、カメラワークもなかなかシャープです。つまりリアル度が高い。

デンマークのオリジナルも、自国で高視聴率を稼ぎ、英BBSでも人気を博したようですから（まだ観ていませんが）、もともと優れた脚本と演出のドラマだったのでしょう。

見終わってから、あれ、これは例のデビット・リンチの『ツイン・ピークス』のパクリじゃないだろうかと思い当たりました。たぶん。けれども、パクリはパクリでも、独自性があるので十分許容範囲です。

『ツイン・ピークス』は物語性が強く、登場人物もいかにも、という典型的なドラマ仕立てでしたが、この作品は、あえてそうなるのを避け、リアリズムを追求していこうというスタンスで、成功しています。

機会があればぜひ。お薦めです。