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バーゲンに群がるのは庶民の証

2007年01月09日 01:37

 バーゲン大盛況である。
 正月はとっくに終わっているというのに、どうも世間が浮き足立っている感が否めない。それはバーゲンセールまっただ中であり、福袋やらなんやらがぽんぽんと売れていることと無関係ではないだろう。
 全国各地のデパート初売りが行われ、それに続いてバーゲンセール福袋の販売が開始されたのは1月2日。翌日の朝日新聞には初売りに押し寄せた買い物客の様子が掲載されており、松坂屋本店では開店前に徹夜組みも含めて約1万5千人が並んだそうだ。初日の
 勢いこそないものの、バーゲン自体は1月中旬まで開催されているので、賑わいはもうしばらく続くのだろう。

 バーゲンの魅力といえば、衣料品が大幅に値下げされる点に尽きる。
 店舗や商品によって割引率は異なるが、30%~50%引きというのが相場だ。普段は高くて敬遠せざるを得ないブランド物に手が届くというのは、それだけでありがたいことである。
 俺も名古屋パルコ初売りにいそいそと出かけていき、マフラーズボンをひとつずつ買ってきた。カシミヤの肌触りが心地よい臙脂色のマフラーと、ジップやストラップが所々に施された黒のパンツは共に質がよく、我ながら良い買い物だったと思う。
 ただ、人ゴミであふれる、いわば戦場に出向いた割には少ない戦果かもしれない。しかし、ブランド品というやつはその性格上、元々の価格が高く設定されているので、割引されているといっても量販品よりはるかに高いのである。庶民にとっては手痛い出費だ。
 加えて、バーゲン本質は商品入れ替えのために見切り品を処分することに他ならない。
 比較的安くブランド品を手に入れることができると考えれば見逃せない好機なのだが、売り切らなければゴミになるものを売りつけられていると考えると腹立たしくもなる。

 ブランド品の価値とは量販品でないゆえに可能なこだわった作りや高い質感、そこに持たされたイメージにある。高い代価を支払ってまでブランド品を求めるのは、実用性云々よりも贅沢品への憧れが優先されるからだ。
 バーゲンの意味を好意的に解釈するのは個人の価値観であるが、叩き売りはいわば贅沢の大衆化である。それは良くも悪くも所有者を選ぶという、ブランド品の根本的な価値が崩壊していることに他ならないのではないだろうか。
 本当にお金のある人は新作の春物を購入する。
 その傍らでブランド名義ながらも、売れ残りの冬物を殺気立ちながら漁る姿というのはなんとも卑しい。質のいいものがお買い得になっていると考えるならともかく、ブランド品が安く手に入ると捉える根性は庶民的だ。

 大喜びで手に入れたものはブランドの切れ端。
 そんな、本質を得られなかったむなしさが募り募って、次のバーゲンセールへと気持ちをせきたてるのではないだろうかと思ったのだった。

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