- 名前
- ヘクトパスカル2号
- 性別
- ♂
- 年齢
- 38歳
- 住所
- 神奈川
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モカ・マタリ
2012年10月07日 17:52
僕の中に小人が住んでいる。
小人は僕とは全く関わりがなく生きている。小人は僕に興味がない。ひとりで生きていけるタイプの小人なのだ。
だから僕が話しかけなければ、絶対何も答えてくれない。
この間はひとりでモカマタリというものを飲んでいた。
「何を飲んでるの?。」
私は思わず訊いてしまった。
「モカ・マタリだよ。後味がリンゴに似ているんだ。」
「美味しいの?。」
「僕は上等なものが好きだから。」小人はこちらを見てくれもしない。
その日私はモカマタリを飲んだ。後味がリンゴに似ていた。
私は今日メンタルクリニックに行った。最近、顔馴染みの女医さんはクスリをきっかり一週間分しかくれない。麻薬の売人だってそんな小出しには出さないはずだ。まぁ自分の出した薬で死なれちゃ困るもんね。
「最近、忙しいので2週間分いただけないでしょうか?。家から病院まで少し遠いので…。」
私は女医さんを困らせてみる。女医さん、ここが腕の見せ所ですよ。私はこの若い女医さんが2週間分の睡眠薬を処方してくれることが既に分かっている。
私はまんまと2週間分以上の薬物を手にいれた。チョロい。私はまだ若いが人を騙すことは本質的にはウマイ。
私は今日はほんの少しの睡眠薬を私に投与して、人を騙してできるうま味を味わう。
小人は今日も上質な何かを楽しんでいるようだった。私は上質なうま味をモカマタリ以外何も知らない。私は私に、モカマタリではないとても苦い白い粒を与える。
「モカ・マタリは後味がリンゴに似ているんだ。」
眠りに落ちる私に小人の声が響く。
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