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【魔法少女カーマイン】10-2 がくらん!

2011年05月04日 19:58

翌日。チア部室。
ミーティングをする久保田とチア部の面々。
「チア部の目的は何か?」
保田は端的に問題を提示してみた。すると、多様な答えが出てきた。どれもが正しく、間違ってるように見えた。
「チア部って、応援団部のなれの果てと聞いたのだが、そこはどう思う?」
そうとうと、メンバー達ははっとした表情を見せてきた。
「応援が目的なんですね!」
「そうだ。しかし、昨日見た稽古演技は単にダンスをこなしただけのように見えたんだ」
きびきびとした動き、一糸乱れぬ連携タイミング。しかし、そこに吐き気のようなものを久保田……クポーは感じていた。

回想。
ワッフルでネオバビロニアに反旗を翻したクポーはその打倒の旅で、完全に帝国の支配を赦した街のマスゲームを見る機会があった。
ざっざっざっざ……
兵隊の行進。
美女軍団による(飽くまで妖精美女です)チアダンス。しかし、それは街のケマリ選手を応援するより、ダンスを無事にこなす事が優先されていた。
ミスをしようものなら、すぐに官憲にとっつかまれ、拷問地獄が待っている。その恐怖感に耐え忍ぶような偽りの笑顔

「先生!」
部長のなのかの声で我に返る。
「ああ、すまん……そこでだ……」

香住学園中学チアリーディング部、演劇部の応援に来ましたっ。おす!」
保田はチア部をあらゆる他部活の応援に行脚させる策を取った。
「まあ、応援ですか?ありがとうです。ぱおーん」
茜が応対した。象さんの演劇稽古中なので、語尾にぱおーんがついてしまう。
「では、私達のチア、見ててください」
しかし、勝手が違うのか、演技の途中で連携が乱れ、チアダンスの技が成立しなくなった。
「わーん!ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
失敗したメンバーが取り乱して泣きじゃくった。久保田にはその気持ちは痛いくらいにわかった。
「安心しろ!誰も責めるひとなんていない」
しかし、この言葉も虚しく、どす黒いオーラ演劇部室を満たしてしまった。
「が、学ランが宙に浮いてます」
チア部員のひとりが指差す。
それはチア部室の片隅にあった、学ランだという。
ドスンっ
そして、着地した学ランは物凄い重量感をかもしだす音を立てた。
「ま、まさか……」
ネガイナーですか?」
学ランは変容し、その異形な姿を現して叫んだ。
「ウッス!」

続く!

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