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ホルテンさんのはじめての冒険
2009年04月11日 16:29
『ホルテンさんのはじめての冒険(ベント・ハーメル)』を見ました。2008年アカデミー賞外国語映画賞のノルウェー代表作品と、チラシにあります。ということは、『おくりびと(滝田洋二郎)』の対抗馬の一つだったということ。
監督ベント・ハーメルは『卵の番人(1995)』『キッチン・ストーリー(2003)』『酔いどれ詩人になるまえに(2005)』があります。残念なことにその一本も見ていません。『卵の番人』については、その存在すら知りませんでした。しかも、ノルウェーのことも、ノルウェーの映画についても殆ど、何も知りません。だから映画は面白い。
これで、少しノルウェーについて調べる気になったのだから・・・。
ノルウェーのことはさて置き、映画『ホルテンさんのはじめての冒険』は、奇妙な味の映画です。話は、定年退職前日に自分の退職祝いのパーティーの二次会にさそわれ、そこで仲間とはぐれて、家に帰れず、今までのリズムと違う生活〈一時的にも)をし、寝過ごし、最後の勤めの日に色々なことを経験する(色々な目に会う)というお話。
その色々な目というのがおかしいし、妙であるが、主人公のホルテン氏が淡々としているところが、味わい深い魅力である。
ホルテン氏は仕事中も他でもいつでもパイプを吸っている。パイプという喫煙道具は、そういう淡々と静かな時間とともにある道具であると、今更ながら気づかされる。葉巻も、それなりにゆっくりと喫むものなのだが、葉巻のような傲慢さはなく、煙管のようなせっかちさとはもっとも遠い存在のパイプ。その時間と空間がこの映画である。ホルテン氏に関わる10人余の人たちもそれぞれに興味深い。いい味である。
はじめに出会う子ども。その子どもの為に遅刻する羽目に成るのだが、その子どもがホルテン氏のように淡々と物静かなのだ。仲間とはぐれたホルテン氏はその子どもの住む家(部屋)に迷い込んでしまう。だがその子は見知らぬ人〈ホルテン氏〉が来ても騒ぎ立てることなく、彼を迎え入れる。朝が来ても親にも兄弟にも何も言わない。そういうことがこの映画を見ていて不思議でないと思わせるのもこの映画の力。
そういう、不思議な出来事の積み重ねがこのホルテン氏の冒険ということである。
献辞、母と女性ジャンパー〈スキーのジャンプ〉に捧げる。ホルテン氏の母は女性スキージャンパーだったが、競技としては認められず、母にジャンプをするように言われるが恐怖で出来なかったと、思いを語るが・・・。
雪の多いノルウェー、雪原を走る列車。その風景も美しい。そういう映画であった。
蛇足:4月10日は淀川長治、生誕100年でした。
このデジログへのコメント
> ジャスミンさん
こめんとオオキニ、アリガトウゴザイマス。
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