台風が来た日

台風情報にも飽きてきて、でも暴風雨圏内だから出るに出られず、仕方なくPCのメール処理。それも飽きてきて、BSを流し見た。すると、

三島由紀夫と川端康成の人生と二人の確執をドキュメンタリーにした番組、おそらく再放送、に出くわした。

面白かった。

知り合った当初は二人は実の親子のように親密で、三島由紀夫の結婚の仲人は川端康成である。

ところが、ノーベル文学賞の候補に二人が並んで推されてから、微妙な亀裂が入り始める。あろうことか、川端康成は三島由紀夫に今回は私受賞を譲ってくれないかとまで頼んでいるのだ。

そして、三島由紀夫の自衛隊への殴り込みと自決事件。当時の再生画像が出たが、自衛隊の若い隊員たちは三島由紀夫の命懸けの説得を全く聞いていないどころか、ヤジを飛ばしていた。三島由紀夫の落胆ぶりはいかばかりであったろう。道化師に成り果て、死ぬ。

そして、見事にノーベル賞受賞した川端康成は、三島由紀夫の死後まもなく、もはや思うように書けなくなって行き詰まり、神経衰弱、不眠症に悩まされ、あげくガス自殺してしまう。

二人の天才は、出会い、そして別れ、それぞれ全く違う道を通って自殺という終点に到達したのだった。

台風のおかげで、かねてから引っ掛かっていた三島由紀夫と川端康成に関する謎が、解けた。溶けた。

才能、無くて良かったーと思ったのも、事実である(笑)。