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お手紙

2019年05月09日 11:05

お手紙

拝啓

令和を迎え、これからの貴方様の益々のご繁栄をお祈り申し上げます。

先日は私の心をお救いくださり、感謝の念で胸がいっぱいです。


まさか、貴方様が目の前に現れてくださるとは夢にも思わず

また、愚かなる願いを申し上げたにもかかわらず

ただただ貴方様は微笑み、私を哀れみ

更に私に最後の快楽をお与えくださるとは思いもよりませんでした。

あれ依頼、私は畏敬の念でいっぱいであり

貴方様のいらっしゃる西方に足を向けて眠れず、恐縮至極の極みにございます。


思えば、婚姻してからの私の人生は

あまりにも我慢の連続でございました。

家族により良い生活を求め、一心不乱に業務に励み

まさに賭け事のように起業し、多大な負荷に負けじと踏ん張り

妻に貴金属を、美味しい食べ物

子どもたちへ満足のいく教育をと

少々欲張り過ぎたようです。


幸いにも、私の至らない部分を継がず

それぞれが思いのまま育ってくれたことが、幸いではございます。


私の、妻との関係は

まさに砂で固めた城のようでした。

思えば、互いに思いやる心がない夫婦だったのかもしれません。

しかしながら、世の殿方に勝るとも劣らず

病の際には看病を、息抜きの際には時間と金銭を

不自由がない程度に、自由に振る舞ってもらった自負がございます。

それでも妻からすれば、老いらくの私の病は

おそらく邪魔で不要なものだったのでしょう。

薄ら笑いを浮かべ、離婚届と共に巣立つ妻を見て

私の人生は一体、何だったのかと

後悔の念にとらわれていたのも事実です。


救いは、子どもたちが自立していた事と

私の肩を持ってくれたことでしょうか。

妻は新たな殿方と既に幸せな家庭を持ったと知り

私は安堵したと同時に

ああ、私はおそらく長い間、裏切られていたのだと

自覚することにもなりました。

私を蝕む病魔は、私に生を許さず

あと三月(みつき)を待たず、それら全てを奪うのでしょう。

悔しかった

辛かった




そんな私の、ただただ一筋の明かりを齎してくださったのが

貴方様でした。

己が血を分けたでもなく、義理や義務でもなく

愛というただ一点のみの理由において

異国より幼子を呼び寄せ、正しき道を教え

溢れんばかりの愛情をもって育む貴方様の姿は

私にとって、唯一であり最後の希望と呼べるものでした。

人生において、このような方が存在するのかと

我が子を手にかける者が溢れるこの世において

貴方様のような人格者が、同じ国で生きているのかと

感銘を受け、それらは私にとって衝撃でした。


貴方様の愛は、いつ何時も渇くことなく

只管に溢れる泉の如く

それは透き通り、清らかで

美しいものでした。


学業での偉業、学び舎での憂い

貴方様の意志をお継ぎになったお嬢様もまた

私には眩しい存在でございました。

友へのお心配りや裏の無き思う心が

子の純粋さを超えた、尊いものでございました。


新たに迎え入れられました淑女様におかれましても

貴方様の行いや振る舞いは、私のような心の貧しい者には

さぞ貴い行いと、眼に映りました。

慈しみと愛に溢れた貴方様の行いには

後付となるような理由が常に存在せず

かと申しても打算が存在するわけでもなく

ただただ、愛のために

その優しく清らかな御手を差し伸べられた末の表れなのでございましょう。

貴方様の優しき御手を

私のような愚かな者にまで差し伸べてくださったことを

深謝しております。


貴方様の行いには、全て愛が存在しております。

他所へ向けたそれらは、貴方様という存在を

更に高みへ誘うものとなっておるのでしょう。

そして、貴方様を支えるご家族や英国での紳士淑女の方々におきましても

貴方様の愛により、貴方様を守護すべく存在と成り得たことを痛感しております。


思えば貴方様により、私の最後の精通におきましても

貴方様の優しき手ほどきにより、再度誘えたものでした。

不能となり、人の温もりすら忘れた老体に

貴方様は再び勃起を思い出させてくださいました。

貴方様の御手が私の愚棒を包み込み

貴方様の聖なる唾液にて、愚棒は最後の威きりを成し遂げました。

優しく擦るあなたの御手は、温かく柔らかく

それらだけでも幸せの極みと理解しているにも関わらず

貴方様の吐息と共に溢れた、優しい御言葉が

私の耳より入り、脳を快楽で包み込み

また貴方様の吐息はまるで女神の祝福の如き

私のような愚かな者を、愛でてくださいました。

未熟にも涙腺が緩み、時を選ばず私が流した涙を拭い

貴方様は私に微笑んでくださいました。

時短くながら、私は貴方様の御手により

射精を覚えました。

脈打ち溢れ出る私の汚き精を

貴方様は臆することなく、汚らわしく扱うことなく

最後のひと搾りまで、快楽と共にする事を許されました。

貴方様の清く白い御手を汚した、私の愚かなる白濁を

貴方様は気にも留めず、手で掬い絡めて下さいました。

その白き御手が私の亀頭に触れ

汚らわしい精をどけ、優しく撫で回し

既に果てたはずの私の愚棒から

腐れ玉より流れ出した全ての精を

余さず流れ出させてくださいました。

私の下らぬ生き様において、これほどの嬉しさと心振るわせる射精をしたのは

この時が後にも先にも、初めてのこととなりました。


生来、神仏への畏敬の念を常に帯同しておると自負しておりますが

心より感銘を受け、また思わずひれ伏してしまったことは

貴方様を除いて他にございません。

女神を目の前に、愚民である私は

それ以外の敬う術を持ち合わせてございませんでした。


貴方様と麗しきお二方のお嬢様との憩いは

それは心地よく、天国にいるかの如きでした。

時を忘れ、病を忘れ

お三方の笑顔が、私の愚かな心を癒してくださいました。

私は貴方様方と別れの際

不思議と、死というものに恐れを抱かなくなっておりました。

今もなお、その心は変わっておりません。

あの優しき御心に惑わされ

私の感覚が麻痺してしまったのかもしれません。




私の子どもたちにも、私の変化が見て取れたようで

気付けば私は、貴方様の貴さや慈しみの心を

長らく子どもたちに語りかけておりました。

貴方様が、愛された殿方の事を話されたことや

それらを話していたときの溢れんばかりの麗しき美しさ

それを語る柔らかき唇

思えば、己が子よりも歳の若き貴方様に畏敬の念を抱くことが

全てを物語っているのかもしれません。



次の月には、おそらく私の手や足腰は

全て役立たずになるのやもしれません。

己が意志を伝える術を、失うことでしょう。

まだ筆を掴むことができる、今のうちに

愚かな私の深謝と畏敬の念を

女神たる貴方様にお伝えしたいと思った次第でございます。




我がくだらぬ、浅き生において

貴方様との時間だけが、私の誇りとなりました


いつまでも、その曇りなき美しき意志を

麗しきお二方のお嬢様へ、またこの星に生きとし生けるもの

60を超える億の愚民に向けて

貴方様の枯れる事なき愛を

惜しみなく奮われることを




令和元年皐月一日

田中 一郎
(仮名)









※先日訪問した田中さんより

丁寧なお手紙をいただきました。

現在、無理することなく余生を精一杯生きていると伺い

私も安堵しました。

ご本人の許可を得て、ここに記載しております。

このウラログへのコメント

  • おけん 2019年05月09日 11:38

    とっても素敵な手紙ですね。
    あのおじいさんの人柄が溢れてると思います。

  • す~ちん 2019年05月09日 15:02

    感動しました。
    思わず目を透しながら泪がこぼれ落ちてしまいました。

  • けもん 2019年05月10日 19:03

    すごいというか、神々しいというか、生き歳いける者の性の慈愛を感じます。

  • 飛鳥 2019年05月12日 11:37

    女神さまが舞い降りられ,慈愛をうけたことで
    のこりの命
    心 穏やかな日々を過ごせますね
    希望の念が 病を克服する奇跡があることをお祈りいたします

  • 只信長さん 2019年05月16日 06:29

    イチゴさんの、深い愛を感じます。同時に男の性についても考えさせられました。ありがとう!

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