水商

　水商っていろんないわれ方があるし、最近では瞳自身は耳にしない言葉。

　でも、世の中に水商といわれるものが存在していることは確かで。

　水商といえば、女の子の風俗というイメージが強いんだけど、そこで女の子は技術の提供？以外にも色んなｺﾒﾝﾄを言ったりする。

　そこでの言葉って、一見全くの嘘や社交辞令のようにも思える。確かに、そういう面もあるんだけど。半分本気で半分はお世辞なのかなと、瞳は思う。

　ホントに心がなければ言葉は出てこない。

　ホントに相手を大事に思わなければ言葉は出てこない。

　ホントに相手に何らかの魅力がなければ言葉は出てこない。

　相手に会えて嬉しい。確かに、すべてのお客さんが自分の好みであったりするはずもないんだけれど、中には本当に好みのタイプがいたりする。現実問題本当に気に入ってもお付き合いが難しい相手。そんな人と、仮に水商というお仕事であっても、ホンのひと時であっても時を過ごせる上に、おこづかいまでもらえる。

　これは、女の子にとって実はとても嬉しい。どれだけスキであっても普段は話しかけにくい相手。そんな人だからこそ、お店に来てくれた時に、たいしたお話ができなかったとしても、例え下手であったとしても、できる限りのサービスをしたいと思う。現実問題相手にどれほどの満足を与えることができるかはわからないけれど。

　その時々で、へたっくそでも、本気で愛していることだけは事実かもしれない。