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「してる」か「してないか」で決まる女の現役

2016年12月21日 09:25

女友だち5人と集った夜。そのなかのひとりから突然こんなことを言われた。
「このなかで、現役なのはあなただけよね」
一瞬なんのことかわからず、「えっ、なんの現役? というかみんな引退してるの?」と聞き返した。するとくだんの発言をした友人は「なんというか、ほら、夜の......」と口ごもった。
彼女いわく、40を過ぎて、離婚したあと、数人の彼氏とつきあったのち、現在は将来をともにしようとしている本気のパートナーがいるわたしだけが「5人のなかで、女現役」と言うのだ。
このときのメンバー構成は、既婚者3名、バツがついている独身組がわたしを含む2名。既婚者のうち2人は、ほぼ家庭内別居で、将来的には離婚視野に入れて生活している。残り1名は、絵に描いたような仲良し幸せ家族の奥さんだ。
「そういう意味だったら、あなたも現役でしょ?旦那さんと仲いいよね?」と唯一幸せ家族の奥さんである友人に尋ねたら、「う、うーん。仲はいいけど、もう何年もしてない」とモゴモゴ。
「そうだよ、仲良し夫婦だって、もうこの年齢でいちゃいちゃとかしないよー」
「わたしたちなんて、夫婦仲がとっくに壊れているから、何年も夫の肩にも触れてもいないわ」
「まあ、"夫婦ではしてない"というだけだけどね。それでもあなただけが現役よ」
夫婦では"していない"が、家庭外では"する機会がある"と言う意味だろうか。そこを突っ込もうとしたとき、バツイチ独身の友人が「ちょっと、なんでわたしが"現役"から外れてるのよ」とご機嫌を損ねて割り込んだ。
「だって、いま彼氏いないでしょ」
「そうだけど、でも"していない"とは限らないでしょ」
「誰かそういう人がいるの?」
「......いないけど」
「じゃあ現役じゃないじゃん!」
不穏な空気が一瞬流れた。食事会の帰り道バツイチ独身の友人がぽつりとこうつぶやいたのが印象的だった。
「人って、"している"か"していないか"をなんであんなに気にするんだろう」
わたしは彼女が、誰にも言えない秘密の恋をしているのを知っている。相手に家庭があるから公言できないのだ。だから建前上、彼氏がいないことになっているのだけど、"している"か"していないか"で言えば、おそらく、いや間違いなく"している"。
なのに、公式発表では"していない"ことになっているので、現役ではないという定義になる。
その夜、「女の現役」について考えてみた。
今回集った女友だちのなかで、わたしがもっともわかりやすい"現役選手"だった。そのわけは、交際2年目のパートナーがいて、あちこち一緒に旅行に行ったりしているので、一見すると「まだまだホットな恋人同士」に見えるからだ。
結婚20年目のベテラン既婚者のうち、ひとりは「旦那さんのことが大好き」で「どこに行くにも家族と一緒」という幸せな奥さんだけれども"何年もレス状態"ということで、周囲からは"現役"から戦力外通告されてしまった。
また仮面夫婦のふたりは、なんとなく「夫以外の恋人の存在」を匂わせながら、しかし公表はできないから"自称・戦力外"と自分たちを位置づけた。建前上、彼氏がいない(けれども本当は不倫中)の女友だちもあっけなく"戦力外通告"されてしまった。
つまり現役というのは、実際に"している"か"していないか"はもちろん、周囲に与えるイメージでも決まる......ということだ。
男と女を感じさせるパートナー同士であるか否か。加えて、それを周囲が感じ取ることができるかどうか。少なくとも先日の集まりでは、現役の定義はこのふたつの条件で決まっていた。
ちなみにわたし以外の4人は、女子力が非常に高い。とくに仮面夫婦の奥方ふたりは、とんでもなく美容意識が高く、美容外科でいろんなメンテナンスをしているし、プロポーションを維持するためにダンスやヨガにしょっちゅう通っている。彼女たちと夜の街に繰り出すと、バーなどで見知らぬ男性に声をかけられるのは、決まってこのふたりのどちらかだ。
また、バツイチ彼女彼女で、恐ろしいほどモテまくっている。ままならぬ恋をしているオーラが出ているのか、薄幸な雰囲気が男性の心をくすぐるのか、どんな集まりにいっても、必ず男性から声をかけられ、そのあとしつこくされているのだ。
しかし残念ながら、彼女に声をかけるのは決まって既婚男。「わたしって、既婚者の人から"ちょろい女"と思われているんだわ」と彼女は密かに悩んでいるのだが、思わずちょっかいを出したくなる空気を自然とまとっているのは、彼女の最大の魅力だと思う。
そう考えると、「女としての現役感」はさらに不確かで適当なものとなる。正直言うと、"している"っちゃー"している"わたしだが、彼女たちと比べると、女子力はかなり低い。
みんなみたいにエステ美容外科にも最近は通っていないし、一日中パジャマで過ごしても平気。むしろ24時間365日、パジャマで過ごしたいくらい。
わたしが"干物女"であることを唯一知っているのが、現在のパートナーなのだ。彼はきっと、ほかの女性をみては「みんな普段からきれいにしているのに、なんでオレの彼女はいつもパジャマでノーメイクなんだろう。あ、あの人、超色っぺ~!」とか思っているに違いない。
それでも女同士は"している"か"していないか"にこだわり、"していること"を堂々と匂わせることができるかどうか、その関係性にこだわっている。一点の曇りのない環境&ラブラブな状態で"している"女性は、女子力が低くても「女の現役」ということになるらしい。ややこしいね。

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