時系列

幼い頃、父に虐待された。


「何でお前がいるんだ！」と

何度も何度も、棒や箒で叩かれた。


歯は折れ、肌は裂け

逃げられもしなかった。



別の日に、母にも叩かれた。



「何でお前が産まれてきたんだ！！」と、憎しみをぶつけられた。


泣いても喚いても、助けはなく


痛いことしか、覚えてなかった。



髪の毛を引っ張られ、砂利道で引きずられ


幼い私は、飽きたぬいぐるみのように


人ではない扱いを受けた。




食事は一度も出なかった。


近所の畑を回っては、きゅうりやトマトを盗んで食べた。


ナスも焼いたりせず、そのまま食べた。


時には、空腹を誤魔化すために

粘土の土を食べた。


蟻も食べた、天道虫も食べた。


お腹が空いたから、ただ食べた。




字を覚えた。同時に自分の名前も覚えた。


自分の名前が「親から貰った」ことを理解したときは、名前を嫌った。


同級生と、片方だけ目の色が違った。

何気ない大人の一言が、私に刺さった。

「お父さんかお母さんのどっちか、外国の人なの？」




しばらく経って、小学校高学年に成長した私を


父が襲った。


父は私に欲情し、勃起していた。


ペニスを口に押し付けられた。



あそこに唾を吐かれた。







死に物狂いで、逃げた。



大切なものは、守ることが出来た。


でも、オスになった父に

私は怯え、何度も嘔吐した。




またしばらく経った。私は中学生になった。

どんどん私も成長していった。



自宅で、母が私の同級生と交わっていた。




私はその場から逃げ出し、また嘔吐した。




世の中の男性全てに嫌悪した。






もう少し成長し、高校生になった。



男性を騙し、お金を得た。


一生こうやって生きていけると思ってた。



また、男性に裏切られた。




ただ、救ってくれたのもひとりの男性だった。





私はその人を、人生で初めて愛した。



気に入られたくて、自分を変えた。


それに合わせて、周りの環境も変わった。



私は初めて、人間になれた。



愛した男性と、一緒に生活を始めた。


毎日が楽しく、輝いていた。


色んなことを教わった。



たくさん、愛してくれた。



一度も、私はこの人に裏切られなかった。








ある日、2人で買い物に出かけた。



不幸がこの日、私たちを襲った。



彼が、交通事故で死んだ。




私は無傷だった。




病院で、下半身が潰れた彼と対面した。




泣き崩れ、嘔吐し、この世の希望を失った。





毎日が、つまらないものに思えた。



走ってる車に、飛び込む


電車に、はねられる


ガスレンジのガスで死ぬ


海に入って、溺れて死ぬ




試そうとした。







頑張っても、死ねなかった。








子どもが出来ない私の代わりに、親友が子どもを産んだ。




その子に、天使という意味の名前をつけた。




6年後、親友がこの世を去った。




私は再び泣き、わめき、叫んだ。




私と関わると、人を不幸にすると

心から理解した。





親友が、死の前に私に手紙をしたためていた。




不幸はあなたのせいじゃない。

そう書いてあった。



私は、この手紙に救われた。



そして、大切な人を得た。


親友から、子どもを託された。







他の誰でもなく、親友は私を選んだ。






あなたなら、母になれる。




親友の願いは、強かった。





私は、それに答えたいと思った。





そして現在、愛娘が私と共にいる。






小学1年生、おませである。





私が母になれるか、不安だった。





また、幸せがどこかへ行ってしまうんじゃないかって不安に、怯えた。





娘が、家族を絵に描いた。




誰よりも私のことを、一番大きく描いてくれた。





この絵を、娘が私に贈ってくれた。




私は、ありがとうと伝えた。




娘は、「一番大好き」と、言ってくれた。







やっと心が救われた気がして、泣いた。




何も言わず、小さい手と腕で


娘は私を抱きしめてくれた。







この子が恥じない母でいたい。


この子が誇れる母でありたい。




そう、強く思った。







今朝も元気に、娘は学校へ登校していった。



玄関で決まって、娘は私に言ってくれる



「I'mhappy!! Ilove you Mom!」
（私は幸せよ。ママ愛してる）






今、私は最高に幸せです。




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