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野球、ごめんね
2015年05月01日 00:30
久しぶりに読んだら、響きました。
時間のある時にでも。
幼い頃に父が亡くなり、母は再婚もせずに俺を育ててくれた。
学もなく、技術もなかった母は、個人商店の手伝いみたいな仕事で生計を立てていた。
それでも当時住んでいた土地は、まだ人情が残っていたので、何とか母子二人で質素に暮らしていけた。
娯楽をする余裕なんてなく、日曜日は母の手作りの弁当を持って、近所の河原とかに遊びに行っていた。
給料をもらった次の日曜日には、クリームパンとコーラを買ってくれた。
ある日、母が勤め先からプロ野球のチケットを2枚もらってきた。
俺は生まれて初めてのプロ野球観戦に興奮し、母はいつもより少しだけ豪華な弁当を作ってくれた。
野球場に着き、チケットを見せて入ろうとすると、係員に止められた。母がもらったのは招待券ではなく優待券だった。
チケット売り場で一人1000円ずつ払ってチケットを買わなければいけないと言われ、帰りの電車賃くらいしか持っていなかった俺たちは、外のベンチで弁当を食べて帰った。
電車の中で無言の母に「楽しかったよ」と言ったら、母は「母ちゃん、バカでごめんね」と言って涙を少しこぼした。
俺は母につらい思いをさせた貧乏と無学がとことん嫌になって、一生懸命に勉強した。
新聞奨学生として大学まで進み、いっぱしの社会人になった。結婚もして、母に孫を見せてやることもできた。
そんな母が去年の暮れに亡くなった。
死ぬ前に一度だけ目を覚まし、思い出したように「野球、ごめんね」と言った。
俺は「楽しかったよ」と言おうとしたが、最後まで声にならなかった。
余計な解説はいりませんね。
明日もよい一日を過ごせるといいですよね(*^^*)
このウラログへのコメント
お母さんも
息子も
最高です
(*^^*)
この話は、何度読んでも心にぐっとくるね。
hiro69さん:本当そうですよね(*^^*)
SYUZO-さん:そうですよね(*^^*)
甘夏さん:そうなんだと思います(^^)
RyuTaさん:読みにきてくださってありがとうございます♪
いい話や。
これくらい純粋だった自分に戻って頑張るのもいいかもですね。
もちろん、今を頑張ります。
morioさん:そうですね(*^^*)
今頑張ってることありますか?
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