仲好すぎるのも考えモノ

昔の仲間のイーちゃん。

彼女と私は、趣味趣向や考え方が全く同じだった。

本屋で珍しい面白そうな本を買うと、翌日彼女も持っている。

その逆もまた然り。

彼女が何か新しいことを発見しても、私もまた同じことに心を奪われていたりするのだった。

私は円周率の暗唱が特技で、ある時誰も答えられないだろうと思いながら
「円周率、小数点以下16桁目は？」
すると、イーちゃんは即答である。
「２！」 しかも、あってるし。

最初こそ驚いたものの、こうまで同じだと呆れるしかない。
彼女もまた、（あぁ、また同じ）
当たり前のように眉をあげる。

新鮮味など、皆無だ。

私と彼女の間にサプライズはあり得ない。

これって、男女としては非常に、つまらん！


永六輔さんが、ラジオの相方である遠藤泰子さんを指して
「女房よりボクを知ってる女性。空気みたいなモン。sexとばして、最初から茶飲み友達」
と言っていたけど、まさに私とイーちゃんはそれだった。

だって、とても仲は良かったけど、一緒に居てもお互いにトキメキがないんだもの。