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終わりの始まり…

2014年11月25日 20:56

今日は君が一番Hだと思う格好で待ってて…。会社でのやり取りは、メモを私のロッカーに入れ交わすと決めている。
私の指令メモを読んだ彼女はいったいどんな姿で待つのか。
雪解けの3月、私は足速に彼女の部屋へ向かった。
ごめん!遅くなっちゃって!
ドアを開けると彼女が立っている。
なぜか今にも泣きそうな顔でジーっと私を見つめている。
ごめんごめん。
暖かい部屋に入り抱きしめながら頭を優しくなでる。
彼女の目から涙が溢れ落ちた。
どうしたの?寂しかったんだー(笑)
あっ、君の一番Hな格好だね。
スっごくセクシーだよ。
全裸シースルーの紫キャミ。
彼女は言った。
いなくなっちゃうの?
もう逢えなくなっちゃうの?
私は意味がわからなかった。
転勤なんでしょ?
だからあんなメモ、私の一番って…
そういうことか、確かにそんな時期。
大丈夫だよー。
俺はしばらくないって!
だから大丈夫、安心して!

よかったぁ……
もう貴方無しでは生きて行けない身体に…


彼女は激しく求めながら、知り尽くした私の総てに全身で奉仕する。
いつまでも、きっと気が済むまでだろうか…。
最高の女
最愛の君

しかし私は…
4月東京満員電車に揺られていた…


中途入社の美人さん、前職は有名ホテル勤めだったそう。どうりで姿勢がいい、礼儀正しい、笑顔上品
27歳、安達祐実を100倍大人っぽくした感じで、スタイルも均整がとれてるとくれば、アッという間に噂の的に。

当時26歳の私は結婚生活も3年目を迎えていた。
フロアの遠くに見える彼女とは、まだ一度も目が合ったことがない。

一ヶ月も経つ頃には、すっかり社に溶け込んでいる彼女に男達が入れ替わり立ち替わり飲み会へ誘う。もちろん私は行かない、見て見ないふりを決め込む。
私なら、当時は大変なものだった。
ジャニーズ系、モッくんだ!と交差点の向こうから叫ばれた事だってある。
社内外から交際をせまられていたのは、結婚前
彼氏はどう思ってるのだろうか、自分だったら…と、ふと考えていた。
あんな女、嫌だな。
こちらから声なんか絶対掛けないし
皆へと同じく話掛けてきたって、冷たく接してやるさ。

ある朝後輩が興奮しながら跳んで来た。
昨日の飲み会キスしました!
は?何言ってるのお前?
いやぁ王様ゲームやってですね!…

あれ?…胸が苦しい…いやそんなことはない…たかがゲーム

水面に落ちた一滴からわずかに広がり始めた波紋。

まだ、気付いていない…まだ。

これが私と彼女
終りに向かう始まりだった。

君との日々がもう許されるのでしょうか…

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