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六本木純情

2013年10月12日 01:19

六本木純情

故あって六本木カプセルホテルで一夜を明かした。

わしはカプセルホテルには割と抵抗ない方で、羽田空港ファーストキャビンはもう何度も利用してます。嫌う人は多いけど、今回はまあ、勉強を兼ねて泊まってみようと思った次第。

航空旅客ということである程度客層が絞られる羽田の施設と違い、六本木の街中にあるこちらは客層が雑多になるのは容易に予想できることです。


で、24時前にチェックインし、風呂に入りあのカプセルの寝床に潜り込んだ訳です。

女性には恐らく未知の世界ですね…女性向けカプセルホテルは未だ数える程しかありませんので)


初めは快適でした。皆さん、驚くほど騒音に繊細で、カプセルのあるエリアは非常に静か。

で、わしも携帯でメールを打ちながらうつらうつら寝てしまいました。


しかし、その眠りは夜中に妨げられます。


何やら廊下で騒ぐ声。目を覚まし、時計を見ると午前3時。

その声の主はどうやら酔っ払ったおっさんで、かなりの大声で何やら意味不明のことをブツブツ呟きながら時に叫んだりもし、周囲で休んでいるであろう人々のことは意識にまったくない様子。

わしはこの環境でそのおっさんに文句を付けても反論されるだけで、そのやり取りで他の宿泊客を起こしてしまうことが容易に予想された為、黙っていました。

その迷惑なおっさんはやがて、鼾をかいて眠ってしまい、ヤレヤレという感じでした。

一度は起こされ、その後はそのおっさんだけでなく複数の宿泊客の鼾に悩まされましたが、やがてわしは再び眠りに就いた訳です。


そしてわしは7時前に眠いながらも目を覚まします。これ以上眠れそうもないし、風呂でも入るか、という感じでした。


わしは準備して風呂に向かいました。



そこで…




ある一群と出会いました。




それは…




一緒になったのは異様に元気な若者の一群。




彼らは集団で言葉を交わし、或いは一人で来ている客は黙々と風呂の準備をしていました。


年の頃なら20代から30代。大部分は中肉中背、髪はブリーチした茶髪の方が多かったですね。


中には既に風呂を教え、仮眠用のソファで横になっている者もいます。


わしはね、最初は訳が分かりませんでした。



こんな時間に何故風呂に入りに来るのか?

今頃カプセルホテルチェックインするのは何者か⁇


彼らをそれとなく観察する内に気がつきました。


彼らは夜通し働いて、仕事明けに風呂を浴びに来たのだ、と。


そしてら彼らが一様に放つこの感覚…


それは生命力と言ってもええし、逞しさとも表現出来、また野望と呼んでもええものでしょう。


六本木で夜に働く、という行為が彼らに取り何を意味し、そこに彼らが何を求めているのか、想像するしかありませんが。

理由はどうあれ、彼らは一様にギラギラした、生命力溢れる目をし、明日は今日よりええ日になると純粋に信じられる人に特有の楽観を感じずにいられませんでした。


わしは彼らにはある種の畏れを感じました。

それは我々が通常持つ、世界レベルのスポーツ選手、並ぶ者がない職人などに対して持つ、畏敬の念に近いものやったかも知れません。


いや、彼らがそんな偉人に類する若者かというと、そうではありません。


それはそういう人がいるかも知れないが、わしが感じた畏れは、つまり、自分が既に失くしてしまったものを眩しいほどに持っていることに対する畏れ。そうやったと思います。



わしは次々にチェックインする、異様に目をギラ付かせた彼らに負けて、早々にチェックアウトし、その場を離れました。



仕事に向かう途中、色々考えました。



彼らはどういう生い立ちで、どういう経過を経て夜の六本木で働くに至ったのか。


今の仕事は恐らく、合法なら水商売関係、非合法なら…


いずれにせよ、わしには知識が乏しい領域です。



何とも逞しく、ギラギラした生命力に溢れ、生気を迸らせた連中でした。



それは、かつては自分がいたに違いない側。



分水嶺を越え、既に人生の夕日を眺めているわしには、取り返せない場所。



そんな若者の集団に瞬間的にでも触れることが出来、ある意味幸せでした。




普段は近づかない場所に出入りしたことで、得られた経験に感謝。


いや、ええ勉強になりました…




それにしても今週末の東京の混み方は異常…ホテルがどこも満室なのには閉口した。

ま、そのお陰でええ勉強をさせてもろた訳ですが。




皆様、ええ三連休を。

このウラログへのコメント

  • ベソ 2013年10月12日 01:22

    こんな回春剤のような文章を自分が書いていることに驚く。


    歳を取ったのは当然としても。



    若者を見ても、「情けない、不甲斐ない、その女々しさをわしが矯正してくれるわ」といった感慨しか持たないこと

  • ベソ 2013年10月12日 01:23

    が多いわしが、その生命力に圧された若者の一群に出会えたのは貴重。


    それにしてもそんな連中が夜の六本木にいるとは…


    考えてみればこれは六本木の特異現象ではなく、全国の飲み屋街で起こっていること?

  • ベソ 2013年10月12日 01:24

    もっと飲みに行かんといかんな、と感じた一件。

  • ベソ 2013年10月14日 04:51

    > えむさん
    そうやね。ええ勉強させてもらいました。



    まあ生気溢れる集団でしたわ…

  • ベソ 2013年10月14日 04:52

    > amyさん
    何と!! 女性のカプセルホテル経験者は希少価値。ちゃんと眠れました? 女性で鼾をかく人は少ないやろか…


    でも、確かに蜂の巣みたいな印象ですね。

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