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最後の約束

2011年09月30日 21:28

事務所からきた仕事の電話でヒサビサに彼と話せた

家帰ってぼーっと彼のこと考えてたら携帯が鳴った
事務所からで相手は彼。仕事の話だった。
「じゃあそういうことで…」と、事務的に電話を切ろうとした彼に
「あの…時間、とれませんか?」やっとの思いで言った

「今、事務所には◯◯主任がいます」
「ソウデスカ…」
「また電話しまーす」
「いつ…?」
「はいはーい」
ブチッ…ツーツーツーツー
電話は切れた

ボロボロ泣いた
いつもこうやってはぐらかされるか、無視された



待ってたら良いのかな…
えっと…

どないやねん!?
悪たれながら涙も止まらなかった






20分後電話がまた鳴って
出ると、やっぱり彼だった
「さっきと別件なんですけどー」
また仕事の話だ…orz

で、仕事の話が一段落してから
「で、さっきのつづきは?」って聞いてくれた
どうやら他の人は帰ったらしい
「ん…んとー、」
「おとうさんのはなし?」
「うん。家継ぐって言う」

彼と別れるつもりで、実家に帰ろうと考えてた
もちろんそうすればうちの夫婦も今のままではいられない

実家は起業してて跡継ぎはいなかった
昔からお前らには継がせないと言われて育ってきたけど
いざ、そういう打診をすると親はノリノリになった


「話がしたいの。相談したいの」
「うん。でも今は見張られてるからなあ。」
「だよね、、」
監視の目がね…」
「うん・・」
「笑」

「話したいけど、どうしよっかな…倉庫とか」
「倉庫だと話できないじゃん、それに今は開発のおじさんが出入りしてるから危険だよ」
「でも他に場所無いしな」
「うーん」
「倉庫外だと…」
「うーん」


はぁー。と大きなため息付いて
「もう、もうさ……もう、全然別の話したい」
「別の話って?」
「何でも無い話」
「たとえば?」
楽しい話」
「笑」

たとえどんな話題でもやっぱり彼と話すのは楽しかった

「泣きそうなんだよー、もうー」
「そういう風には聞こえないよ」
「むー」

生理終わった?」
「おわったよー」
「でも倉庫危険ならチュー出来ないな」
「土日にしてください」
「飲んでくれるのも出来ないかなー」
「土日にしてください」
「入れても良い?」
「土日に(笑」

今の辛い現実が一瞬なくなったみたいだった

「一ヶ月でこんなに変わるんだ…と思ってた」
「そんなんじゃないよ」
「そうだよ。あなた冷たいもん」
「そんなことないよ。あなただって普通にしてるじゃん」
「必死なの。隠すのに。」



言いたいことはたくさんあって
ありすぎて
何にも言えなかった




来週暇ができたら電話をくれることになった

来週彼が時間を作ってくれたら
彼に相談して
たぶんあたしは会社を辞める

電話を切るまで冗談を言い合ってその合間に
「あなたと離れるのも怖いの…」
それだけ言えた


来週までに整理して
彼に言いたかったこと
コレだけは伝えたいってことを言う覚悟をしておこう





あたしの言葉を彼が聞いてくれる最後になるかもしれないから。

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