こんなに好きなのに

あいつは私の後輩だった
とても趣味の合うヤツで
二人でいろんな話をしては笑っていた

男女の友情は成り立つ　ってのは今でも思っているし
何人も男友達もいるしそいつらと平気で二人でも飲みに行くし
あいつとも当然そうやって一緒に遊んでいた

でも気がついたら好きになっていて
触れたい　と思ってしまって
あいつもそう思ってくれていて
抱き合ってしまったのは自然な流れだった

お互い恋をしてはいけない相手だった
それは最初からわかっていた
始まった時から終わりを考えなければいけない恋だった
でも　目の前にあいつがいればそんなこと考えられなくて

終わりはどんな形かわからないけど
必ずやってくることだけはわかっていて
物理的に会えなくなる時を待てば
それはそれで楽だったのかも知れないけど

いつやってくるかわからない終わりを待つのは
とても辛かったんだと思う
私は考えないようにしていたけれど
あいつはずっと考えていたんだろう

終わりにしたいと思っているのには気がついていた
そろそろ終わりにしなきゃいけないのもわかっていたし
だけど
あいつと肌を合わせるのがこんなに気持ちがいいと知ってしまった今は
会えないのが本当に辛くて

終わりが来るのはわかっていた
でもこんなに辛いなんて知らなかった

さみしくてさみしくて
もう　終わりにしたんだから
メールも話もあんまりしないでおこうと思ったり
でも　さみしくてさみしくて

何がこんなに辛いのかがわからなくて
１週間一人になると涙が止まらなかった

どうしようもなくていろいろ考えて
ちょっとわかったのは
恋人としてすることを我慢するのは耐えられるけど
友達としてしてもいいことまで我慢しちゃってたから
こんなに異常にさみしいのかな

恋人と友達を一緒に無くしちゃえば
それはとてもさみしいよね
と自分の状況に少し気がついて

そんなことにも気づけないくらい
悲しくてさみしい状態なんだな　ということにも少し気がついた

何がなんだかわからない状態が一番辛い
それを少しだけ抜け出せた…と思いたい