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誘惑への扉② 曜子、夏のある日

2009年10月20日 23:16

至って見た目は普通だと思う。太ってもないし、背も平均的。周りの人ともうまくやっていると思う。でも、自分でも気付いている。私は性欲が強いほうだと。

そして、こんなものかと思い承諾したこの結婚。生活は安定し大切にしてくれているが、何かが満たされないということも分かってきた。夫との性交渉が無いわけじゃない。でも、向上心というか野心というか・・・力強さが無く、すぐに終わってしまうところがどうも満たされない。終わったあとでも一人で何度も処理をしたこともある。どういう風に思われるのかという思いもあったが、ただ回数だけの問題じゃない。子供が欲しいとかじゃない欲求は40歳も半ばを過ぎた夫に対して「もっとして欲しい」とは言えなかった。

なんとなく過ぎる毎日に退屈さを覚えていた時、事は起きた。毎月来る義母が配達を頼んでいる健康食品屋。高校卒業して近くの支店に配属になったようで、母が近所の人の分もとまとめて頼んでいる健康食品を毎月運んでくれている。高校のときは運動部だったらしくガッチリとした体型で、男くさい中でもまれて彼女も居ないとこぼしていたのを聞いたことがあった。何度か義母が不在にすることもあり、私が対応することもあった。錠剤やらドリンクやら・・・。一部は海の底からの大地の贈り物とかいう水もあり、裏口に運んでもらった。

ちょうど裏口近くにある車庫に何本もの水を運んでもらった時に「今日は義母が居ないから私が支払っておくわ」そういってあずかっていた金額を差し出す。「いつもありがとうございます。」そんな会話をしていた。車庫の中にはほかに車の冬用タイヤが詰まれ、スコップやちょっとした農作業の道具が置かれていた。

まだ少し暑さが残る夕暮れ。
軽装の私はTシャツに少しミニのスカートを穿いていた。オシャレとは程遠い格好だが、そこから出た足はもしかしたら彼の何かを刺激してしまったのかもしれない。「白い足ですね」そんなことを言ってきた。あぁ・・・見ていたんだ。「そうなの、この夏どこにも行っていないから日焼けもしてなくて」なんだか変な回答をしてしまった。

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