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夏の終りに.5

2008年07月21日 21:20

半真半偽でお坊さんのくれたお札を財布にしまい、

帰り着くと二人の様子が変に落ち着かなかった、

ご飯もそこそこに

「今日は貴方もお疲れの様子、私達は向こうの部屋でやすみます。」

「判りました、実は俺も疲れてますので、先に寝かせて貰います。」

互いにお休みの挨拶をして眠りに着いたがあのお坊さんの話が気にかかり、なかなか寝つけ無かった、

あくる朝、少し疲れも取れたので昨日の話を詳しく知りたくなり、

あのお坊さんを探した、でもその必要は無かった、

俺の部屋の下にいた、


「昨日は二人とも部屋には入って来なかった」

「お札が効いたようだ」

「でも、まだお坊さんの話が信じれない」

「そうか、ではここへ訪ねなさい、詳しい話をしてくれる」

住所の書かれたメモを渡された、


訪ねて行くと古ぼけた小さなお寺、と言うより普通の民家をお寺と呼ばせていた、


小さな本堂へ住職に案内された、


八十際を越えたように見える小さな体で俺の前に座りぼそぼそと話した、

俺はこれまでの経緯を順立てて話した、


住職はおもむろに数珠を胸にした、

やがてぽつぽつと話してくれた、


今から三十年の昔、
住職は高利を取る金貸しをして、
ある時、経営に行き詰まり困り果てた人の良い社長を騙し、
娘を借金の片にくれるなら幾らでも貸してやろうと話を持ちかけた、

無論、借りる方はワラでも掴みたい気持で借りたがやはり返済は無理だった、

娘を騙し自分の家へ招き入れ、

暫くは何もせず、
そのままにしてたが父親である社長倒産した時の無理がたたり、

あっけなく死んだ、
さぁこれであの娘はわしの物じゃ、

暫くして娘に今までの話をして、
お前は借金の片で煮て食おうと焼くなとワシの自由だ、

早く往生して愛人になれと無茶な説得をした、

しかし娘は我が身の不幸と高利貸し、社会を恨んで入水自殺をした、一緒にいた身の周りをする女中運命を供にした、


しかもこの住職が相手の高利貸しだった、

二人が死んで可哀想になりともらいをしていたが、

何かのきっかけで迷い出て貴方を道ずれにとしている、多分、貴方の優しさにこの人なら一緒できると思ったのでは、


聞けば可哀想な二人だが俺はまだ死にたくない、


どうすれば穏やかにあの二人が成仏出きるのかも聞いた、


それは貴方の身の一部と一緒にこのお札を貼り、
けっして気を許さずにな、


俺は決心してあの二人を成仏させようと思った、




このウラログへのコメント

  • ooji1215 2008年07月22日 00:51

    (mioさん)
    しかし亡者の執念はすざましいかも

  • ooji1215 2008年07月22日 00:54

    (春霞さん)
    いくら好きでも意思に関係無く連れて行かれるのは嫌かも

  • ooji1215 2008年07月22日 11:12

    (柚木さん)
    これの逆で異性が寄ってくるお札が欲しいです

  • ooji1215 2008年07月24日 19:09

    (薄紅さん)
    お金の恨みはきついですからね、
    親子でも他人みたい

  • 姫ちゃん 2008年07月24日 22:34

    身の一部って?

    もしかして大事なとこ@@!?

  • ooji1215 2008年07月25日 15:26

    (姫ちゃんさん)
    昔からの身代わりは髪と相場が決まってますよ

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