高さ

貫ける空の近く
高い空のその場所に
たたずむ人がいた

チェッカーベリーの赤さが
訪れる冬を予感させたけれど

あの

寒さに震えた冬には
もう
戻れない

私の悲観が、また別の悲観を呼ぶから
縛り付けられるなと言われた

自分の言葉に縛り付けられるなと言われた

それを
その人にも言ってみた

自分が大嫌いな私が
自分が大嫌いな彼を
どうして癒すことが出来るのかわからない

愛してあげられない自分を
お互いに、お互いが暖めることしかできない

暖かさが
それでも癒しになるなら
差し出すことは容易なのに

何かが
もうこれ以上はだめだと歯止めをかける

甘えない人が甘えた

あの姿はとても貴重だったと思う

あなたは
寒空の下で何を想うの？
何を懐かしみ、何に馳せるの？

パンドラに残された希望を探すみたいに
まだ、暗闇をまさぐってるの？

光はいつでも、どんなときでも
自分の中にしかないのに