- 名前
- pinkno-bura
- 性別
- ♂
- 年齢
- 61歳
- 住所
- 岩手
- 自己紹介
- 女装のまま女性として日々を暮らしております。
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愛せない感情・・・その8
2021年06月06日 22:38
う~ん・・・ずいぶんお久しぶりさんになっちゃたみたい(^▽^)/
今夜は先程アルファポリスさんにアップしたページをアップしてみますね(^▽^)/
写真さんは先日お出かけ前に写して見た一枚なんですよ(^▽^)/
愛せない感情・・・その8
「人はいつか死ぬものよ」
「確かにそうですけど・・・」
「京子もいつか死ぬの、そして、子供たちもね。だけどね、問題はそこじゃないのよ」
「そこじゃないっていうのは?」
「猫の生き方、犬の生き方、そしてあたしの生き方。猫も犬のそれ以外の生き物たちもね、みんな生き続けるの、自分の体の中にある心臓が鼓動を続ける限り、何があっても何が起きても、どんなに辛い人生でもどんなに悲しい生き方でも、命の鼓動が続く限り生き続けるの。命が鼓動が止まるその瞬間まで生きる事を決して止めようとはしないのよ」
「でも、前に・・・」
「人間って困った生き物よね。やたら知能があり過ぎるものだから、あれもこれもって欲しがってしまうのよね。そんでもってついつい調子に乗り過ぎて自分の死までも欲しがろうとしてしまう。この世界には生きたくても生きれない人たちが沢山いるっていうのに。そして、誰かの生きる覚悟のために自らの命さえも差し出してしまう。そんなものなんて、ただの自己満足に過ぎないって分かっているのにね。そして、そんな死が美しいものだと、ありもしない幻想に取り憑かれていく」
夏樹さんは誰の事を言ってるの?
雪子さん?京子?それとも夏樹さん自身?
「京子が許せないのはあたしでも雪子でもないの・・・。京子が許せないのは時間なの」
「時間・・・?」
「そう、京子があたしと過ごした時間、そして、あたしと雪子が過ごした時間」
「あの、夏樹さんが雪子さんと過ごした時間って、夏樹さんが雪子さんと恋人同士だった時間の事ですよね?」
「そうよ・・・」
「でも、そんな事を言っても、別に、その時は京子は夏樹さんとは何でもなかったんだし、京子がその時間を許せないっていうのは、ちょっと違うような・・・」
「そうかしら・・・?」
「はい、そう思いますよ。それに、京子が夏樹さんと過ごした時間が許せないっていうのも、ちょっと意味が分からないっていうか・・・」
「あら?あんた、ちょっと見ないうちに随分とおしゃべりが出来るようになったみたいね」
「いや~・・・はははっ」
「前にもちょっと言ったけど、京子があたしと知り合ってから離婚するまでの期間って何年くらいだったかしら?」
「確か、京子がまだ小学6年生くらいの頃でしたよね?なので、12歳の頃からだから、う~んと、たぶん38年か39年くらいですか?」
「そうね、約39年くらいになるわね」
「でも、その時間がどうして京子が許せない時間になるんですか?」
「んで、雪子と恋人だったのって11か月と半分くらい」
「えっ?・・・うっそ?」
「本当よ。雪子の誕生日を迎える前に別れちゃったんだから」
「え===っ?でも、雪子さんと知り合ってからの期間もあるんですよね?」
「ほとんどないんじゃないかしら?」
「ないって・・・あの・・・」
「雪子とは、初めてのドライブで海に行ってから間もなくだから、たぶん3日くらいかしら?」
「え===っ?うそみたい?」
「あたしって強引でしょ?」
「強引というか何というか・・・。でも、それじゃ夏樹さんの方から?」
「そうよ。あたしが雪子を口説いたのよ。しかも、かなり強引に、というよりほとんど強制だったかもね」
うわぁ、そうだったんだ・・・。
でも、初めて聞いたわ・・・ってか、聞いちゃったわ!
夏樹さんが雪子さんを口説いたんだろうな~ってのは何となく分かるけど、
ほとんど強制っていったいどんな口説き方をしたのかしら?
そういえば京子からそんな話を聞いた記憶がないような・・・。
京子が夏樹さんに口説かれたなんて話とかって記憶ないし、
どっちかっていうと京子の方が一方的に夏樹さんに好意を持っていたって感じだったような気がする。
それにしても、夏樹さんが口説くのは分かるけど、
それまで雪子さんとは知り合いでも何でもなかったのよね?
その雪子さんが見ず知らずだった夏樹さんに口説かれてすぐに承諾しちゃうって・・・う~ん。
だってさ、あんなにも物静かで大人しくて、んでもって、どっちかっていうとすぐに陰に隠れちゃう感じの雪子さんが・・・う~ん。
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