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「さようなら」

2019年12月07日 11:13

私が「さようなら」という言葉を使う事はほぼございません。
相手の人との縁が永遠に切れてしまうような気がするので、
知人と出かけて別れる時などは「また会いましょう」と申します。

ですが、この度「さようなら」を言わねばならない事が起きました。
7人兄弟だった父の末の弟である叔父が急逝したのです。
自宅で用事をしている最中に急に胸が痛いと言って動けなくなり、
本人が救急車は呼ばないでくれと申しましたので、
布団を敷いてもらい、横になるとそのまま息を引き取ってしまいました。

朗らかで、いつも明るい(後ろに広くなった額も)人でした。
ただ、希にですが非常に突飛な事をしでかして周囲を困惑の渦に巻き込む事もありました。

叔父がまだ30代の頃の話でございます。
妻子ある身で、高校卒業して入社したばかりの女子社員と不倫関係になりました。
ここまでは耳にする機会の多いよくある話でございます。
しかし、この後に叔父が取った行動は実に衝撃的なものでした。

亭主関白な叔父に文句一つ言わず連れ添っていた叔母と、
まだ小学生に上がって間もない息子が自宅に居る時間であるのを承知した上で、
不倫相手女性を連れて帰宅したのでございます。

叔母は彼女の顔を見るや、
「ここは私の家や!入らんといて!さっさと出て行き!」
と鬼も逃げ出す憤怒の表情、閻魔も泣き出す剣幕で怒鳴ります。
しかし、不倫相手は非常に気が強い性格でした。
「付いて来いて言われたから付いて来ただけやし!」
間に入った叔父は言い放ちました。
「この子と結婚するから、俺と別れてや」
驚愕の一言。

手こそ出さないものの地獄修羅場と化す自宅。
もの影に隠れて震えるしかできない幼い息子の恐怖はいかばかりでしたでしょう。
「あんなお袋は後にも先にも、その一度しか見た事がない」
従兄弟は後にそう語りました。

大阪住まいの叔父を夫婦島根の実家に呼び戻し、
家族全員で話し合いが持たれたように聞き及んでおりますが、
先の一件により、もう後戻りをする余地は残っていなかったのでございます。

見方によれば、合理的に最短で結果が出せる行動であったといえるでしょうが、
子供が居る前でとは、非常に酷であり許し難く思います。

前妻に対して強権的亭主関白であった叔父ですが、
再婚した奥さんには完璧に尻に敷かれ威厳なしの逆転ぶり。
私の両親は前妻さんととても仲が良かったものですから、
亡くなる時まで、離婚後も変わりなく義妹として付き合いを続けました。

この度の訃報につきまして、今は心穏やかに過ごしている叔母も80歳を過ぎ、
残りの人生がどのくらいあるものか分からない年齢ですから、
辛い記憶で胸を傷めさせないように内密にする事になっております。

叔父宅の宗教上の理由で葬儀告別式などをしないそうですので、
この場をお借り致しまして叔父に別れを致したく思います。

一番年上の伯母さんだけを残して末っ子の叔父さんまで男の子全員が先立って、
伯母さんが可哀想ですよ。
どうせ皆に混ざって酒盛りをしているのでしょうが、
精神的にも経済的にも不幸を追わせた叔母さんの事を見守るのは忘れないようにして下さい。
今まで可愛がってくれてありがとう。
叔父さんの楽しそうな笑顔、ずっと忘れません。
さようなら。

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