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終わりのない旅(裏から続く)

2014年11月01日 08:38

裏では「難民」という形態での終わりのない旅を論じましたが、しかし考えてみれば旅というのはループで終わるのが本来の姿なんやろか? という疑問が生じますな。

アフリカ起源人類が棲息圏を広げて来た歴史を鳥瞰しても、アフリカ中東中央アジア欧州という流れがあり、これは長期的に見れば常に不可逆やった訳です。

つまり、あるかなしかの家財道具、全財産、全家族を連れての長距離の移動というのは、人類にとってはいわばデフォルトの旅の形態であるとの見方が出来る。

これは人類に限らず、あらゆる動植物が種の保存を目的として常に棲息圏を広げる闘いを繰り広げていることを考えると、生命にとってのデフォルトの旅の形態とはループするもの、つまり出発点に戻るものではなく、ベクトルが一方向を向いている、出発点に戻ることを前提としないものである、ということが言えます。


そうした前提に立つと、自宅に戻る為の旅…という見方、考え方がより際立ちますな。

つまり、それだけ恵まれた環境であって初めて成立する感性や、ということです。


例えば人類の歴史を考えると、住み慣れた土地を捨て、生活の糧を求めて戻ることを前提としない旅を強いられたグループは常に、その土地では「食えない」、生活の基盤を持たない人達であった訳です。

それは、気候変動、災害等でそのコミュニティが根こそぎ移動を強いられた場合もあったでしょうが、それより多かったのは人口が増え過ぎた結果、その土地で生活する十分な基盤を持った層に対してそうした基盤を持たないグループが活路を求めて他の土地に移動をせざるを得なかったケース、と考える方が自然でしょう。

つまり、こうした移動は常に悲壮であり、犠牲を伴うものであり、そして成功することは恐らく稀で、多くはそのグループが全滅する結果に終わったであろうことは想像に難くありません。

それは移動するにしても条件の良い土地には常に既に先住民がおり、そうしたグループとの摩擦(つまり戦争)を経て定住に成功することがどれだけ難しかったに違いないか、ということを考えると分ります。

これは国家、民族の成り立ちの根幹を成す問題でもあり、大陸系の民族については常に研究の対象となって来た歴史です。

我が国については島国という特殊事情があり、外部からの流入よりも(現在の日本国の)国内での移動が主な形態であったことは想像に難くありません。これは現在の皇室祖先が各地に存在していた小国を征服して行き(古事記では「平定した」と表現されていますな)、今の我が国の原型を作っていった歴史と密接に絡んでいます。


こうした視点に立つと、旅というのはほんまは行ったら行きっ放し、戻ることなんてありまへん、というのが本来の姿なんやなかろうか、と思えて来ます。


これは現在でも、「難民」ではなく「移民」という形で起こり続けている移動の形態です。我が国でも遠くない過去に増え過ぎた人口を外国に移住させる政策が取られていたことは皆様ご存じの通りです。


そう考えると…

旅を終え自宅に戻って幸せやなあ、と感じる感性は実は、人類のこうした歴史、デフォルトの行きっ放しの旅の形態を意識しているからこそあり得る意識なのかも知れません。



そもそも、良く旅に譬えられる人生自体が行きっ放しの旅ではありませんか。


同じ旅ならそれを楽しくしてくれる同行者を選びたいですね。



では皆様、良い週末を。

このデジログへのコメント

  • ベソ 2014年11月01日 08:41

    視点というか、我ながら鋭いこと言ってるやんという部分があれども、文章の出来、練度に関しては赤面するしかない駄文。

    ま、備忘録的にログを書くのもデジの利用法でしょう。

    という訳で大目に見てください。

  • ベソ 2014年11月01日 17:44

    > あまいさん
    おお~、伊東っすか~

    羨ましい。楽しんで来てください。

    今の時期は紅葉が見頃でしょうね~

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