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童話「ねむりひめ」

2014年04月29日 08:34

「この話は私が17歳の時に書いた童話です。」

「ねむりひめ」

うーんとねむりひめは大きなあくびを一つすると、花の中から出てきました。

えっ、そんな大きな花があるわけないじゃないかって?

ざんねんでした。花が大きいからではなくて、ねむりひめがとっても小さいんです。

ねむりひめはかわいいおひめさまのようせいです。

ちいさなぼうしをちょこんとかぶり、まほうを使えるステッキをもっているんです。

もちろん空をとぶこともできるんですよ。

ねむりひめは花のみつで顔を洗いました。

「さあ、おしごとをしなくっちゃ。」

ねむりひめのしごとは、夜泣いている人間のこどもをねかしつけることです。

ねむりひめはよるのやみにそっと耳をかたむけました。

あらあら、まこちゃんがないているわ。さあ、いかなくっちゃ。」

ねむりひめはまこちゃんの家まで飛んでいきました。

まこちゃんの家の窓からそっとのぞくと、まこちゃんがなきさけんでいます。

まこちゃんのお母さんがやさしくあやしていますが、

まこちゃんの泣き声はとまりそうにありません。

ねむりひめはもっていたステッキを3回振りました。

えっ、なぜ3回ふったのかって?

それはまこちゃんが3さいだったからです。

するとまこちゃんは、すやすやとなにごともなかったかのように眠ってしまいました。

「まこちゃん、おやすみなさい。」


ねむりひめはつぎのこどもの家に向かって飛んでいきました。

「いやだい、いやだい、そんなのいやだい。」

けんちゃんの大きな声が聞こえました。

かんちゃんはもう大きくなったのにと思いながら

ねむりひめは家の中をのぞきこみました。

「今日はおそくまでおきて、テレビをみたいんだ。」

けんちゃんがお母さんを困らせています。

お母さんは優しく、寝るようになだめていますが、けんちゃんは聞き入れようとしません。

ねむりひめはさっと6回、ステッキを振りました。

けんちゃんが、ふぁっと大きなあくびをしました。

お母さんは眠ったけんちゃんを抱きかかえ、ふとんのなかに運びました。

「早くおおきくなってね、けんちゃん。」

お母さんはそうつぶやくと、優しくけんちゃんの髪の毛をなでました。


「お母さんっていいなあ。私にはいないけど。」

ねむりひめのまぶたからひとつぶの涙がこぼれおちました。


空にはお星さまたちが、きらきらとかがやいていました。

                                       おわり

このデジログへのコメント

  • 真子☆ 2014年04月29日 08:56

    素敵なお話☆ありがとうございます 眠り姫もみんなの笑顔で元気をもらえていると思います☆.。.:*

  • ようしん 2014年05月10日 03:06

    > 真子☆さん

    この話は中日新聞に掲載されました。

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