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「長い散歩」レビュー☆

2006年12月09日 14:08

「長い散歩」レビュー☆

奥田瑛二監督。緒形拳主演他。亡き妻への想いを背負った男、松太郎(緒形拳)。彼は傷ついた天使(杉浦花菜)に出会い、旅に出る。しかし、社会はそれを誘拐と呼んだ。人生は長い散歩。愛がなければ歩けない。現代社会の歪みを描きながら、そこから救われ、心が浄化されてゆく涙の感動作。

7/10点!!現代社会の歪みを切々と描いた地味だけど、秀作といえる作品です。校長まで経験し、定年を迎えた元教師・松太郎(緒形拳)が初めて出会うリアル現代社会児童虐待虐待の連鎖、母(高岡早紀)の苦しみ、心身を傷つけられ、すべてに心を閉ざしてしまった娘。学校という社会からはみ出され、自分の存在意味がわからなくなっている青年(松田翔太)。そして、家庭崩壊と、妻のアルコール依存による死という心の闇の淵から抜け出せなくなっている自分自身。松太郎のしたことは確かに犯罪=誘拐だけど、幸と松太郎は束の間ではあるけれど、一生ものの、かすかな光を見つけられたのだと思います。幸は幼すぎてこの出来事を忘れてしまうかもしれないけれど、二人はいつか再会出来たらいいなと、ラストを観て思いました。奥田監督の思惑通り、チリチリひりひり心が痛くなる作品でした。生き場のない、逃げ場のない、術を知らない現代人の、それでも無くしてはいけない人への優しさや愛情を、松太郎を通して観た気がして、涙が溢れました。2006年公開。

このデジログへのコメント

  • tarashi 2006年12月11日 12:23

    奥田瑛二監督作品の話題は聞いていました。そうですか、見に行こうかな。

  • ユリ 2006年12月11日 16:16

    コメントたくさんありがとうございます。

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