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トラウマ

2006年09月10日 22:47

みんな誰でも一度や二度、異性とツライ別れ方をしたって経験あると思う。
そういう私もこっぴどくフラれた経験がある。
そのときの彼女は自分より一つ年下だった。学生時代の後輩。数年ぶりの再会で、付き合うようになった。
そもそもきっかけは、その彼女恋愛相談をされたことから。つまり、「よくある話」。
そんなひどい男別れてオレのとこに来な、と言ったが最後、キスをして次の日にはラブホテルにいた。
その彼女は本当に可愛かった。芸能人みたいだった。雛形あきこをさらに小西真奈美のように小顔にしてさらに美形にした感じだった。
そんな彼女が自分と付き合うようになる。私はとにかく有頂天だった。生まれて初めて心底惚れた、今でもそう言えるほどの恋愛だった。
しかし、その恋愛も3年経った頃、私が彼女を奪った同じパターンで寝取られた。
彼女の部屋に行ったら、使用済みのゴムがあった。
全く思いもよらぬ展開に、とにかく目の前が真っ暗になった。これも生まれて初めての経験。
絶望感というやつが大津波のように襲ってくる。これもまた生まれて初めての経験。
1ヶ月まともに眠れなくなる。同じく初めての経験。
テレビやAVの絡みのシーンが見られなくなる。見ると元彼女が他の男に抱かれている光景とダブってしまい、気がおかしくなりそうになる。もちろん初めての経験。
当然、性的不能状態に陥る。最初で最後(でありたい…)経験。
死ねば楽になれるのだろうな、本当にそう思ったのも初めての経験。
今でこそ、まんまとあの女にいいようにされたな、と思えるようになったが、当時は精神的に本当に追い詰められた状態であったと言える。
ところで、毎日毎晩メールを1ヶ月続けるうちに。いよいよ機は熟したと判断して、今の彼女に電話で話すことを提案してみた。
とにかく遊びのない生真面目な女性だってことは日々のメールで分かっていたから、ましてや旦那以外の男とメール以上のアプローチをする発想さえ絶対持ち合わせるような人ではないと思える女性だったから、1ヶ月もメールのやりとりをしながらも、かなり勇気を出しての賭けだった。
しかし、結果は意外にもOK。なんだか拍子抜けだった。多分彼女には、遠く離れた仲で電話で話すことに何のリスクがあるんだと、そもそも電話もメールの延長と思えていたのであろう。「メル友」という友達と電話で話すことは、なるほど確かに何の疑問もない。
初めて聞く彼女の声、自分より5歳年上女性にしては可愛い感じの声だった。2人の子供を持つオバさんというイメージは全く沸いてこない。逆に、お姉さまというイメージもない。地味に、可愛らしく話す、それだけだった。
さすがに1ヶ月もメールをしていれば、多少の緊張はお互いにあったかもしれない、しかし会話はよく弾んだ。メールでは、さすがに文章では伝えづらい(というか、面倒くさい)話、例えば家からどんな風景が見えるとか、家の中はどんな間取りなのかとか、どうでもいい話だけど、それが楽しかった。
こうして毎晩メールプラス週末は電話という仲になったある日、私のこっぴどい別れ方をした話をする機会があった。
それを聞いた彼女、とんでもないことを言い出して私を驚かせた。
実は彼女旦那とは別居中だった。それももう5年も。原因は旦那浮気。よくある話。
彼女もまた人を信じてしっぺ返しを思いっきり喰らっていたのだった。別居直前のカミング・アウトでは、妊娠して結婚が決まった時にも別に付き合ってた女がいて、別居までの間ずっと愛人がいたと聞かされたという。もちろん、別居後も愛人と暮らしているそうだ。
お互いに裏切られた経験があった。誰にでもあることなのだろうが、やはり似たような経験をすればどこかに通じるものができてくる。単に慰めあうだけにしか過ぎないのだろうが、しかしお互いが同じようなトラウマを持ちながらすこしずつアプローチしたならば…。

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