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居直り強盗とハンバーグ

2011年01月22日 17:15

「おらっ、金を持ってこないとフライパンに火を着けるぞ。」

一軒家のキッチン窓から興奮した面持ちで強盗犯は周りを囲んでいる警察達に叫んだ。

課長犯人は片手に挽き肉を所持してます。突入命令を。」

「いや、まだフライパンに油を指していない。ここは我慢だ。」
と、こんな会話も聞こえてくる。

「ごちゃごちゃ言ってんじゃねぇ。」
犯人は挽き肉に何と炒めた玉ねぎを豪快に混ぜ始めた。
周囲に緊張が走る。

警察の一人がある事に気付く。
「見ろ、犯人パン粉牛乳を浸しているぞ。」

驚いた課長
「何ぃ~、馬鹿な!奴は塩、胡椒だけと思っていたが…、やむを得ない。」
と、首を左右に振ると、
「狙撃班に奴の挽き肉にいつでもケチャップと卵を入れれる様に準備しとけ。」と、無線で指示を出す。
暫く膠着状態が続く。

その静寂を破るかの様に犯人ボールに手を突っ込みグチャグチャと混ぜ始めた。と、同時にフライパンに油を指す。

警察は動けない。

その時、奇跡が起きた。
フライパンの熱い油が犯人の指に掛かったのだ。
「あちっ。」

今だ。その瞬間、課長の口から突撃命令が下された。一斉に警察雪崩れ込む。
犯人がたじろぐ。
「近づくんじゃねぇ、肉をひっくり返すぞ。」フライ返しを振り回す。

すると突入していた課長が一歩前に踏み出す。
そして、
「お前の母さんが皿を持って待ってるぞ。」
「お前の暖かいハンバーグが食いたいそうだ。」

警察側の必死の説得が試みられる。
すると犯人が泣き崩れ始めた。
課長、やりましたね。」
「あぁ、デミグラスソースを掛ければ完成だった。紙一重だった。」

今日も町に平和がやって来た。

このデジログへのコメント

  • クレアR 2011年01月29日 10:54

    ハンバーグ食べたくなってしまいました

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