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「ナポレオン展」/孤独について

2006年07月09日 21:38

知り合いに「大ナポレオン展」の招待券をもらったので行ってきました。
ナポレオンって、そういう人がいるなぁ位の感覚だったので、まるで期待もせず見にいったのですが、結構面白かったのです。
一人の人間の生き方として考えるものがありました。権威に対抗し、改革者であり、為政者であり、己の限界で破綻してしまった男という印象ですが、生きるとは何なのか考えてしまいます。
別に天才というわけでは無いようですし。俗に偉人といわれている人でも、やっぱり人間だし、結構、運やタイミングで歴史の転換点に立たされてしまった感があって、なにやらほほえましい感じがします。
そういう視点で歴史を見直すと楽しいかもなぁ、と、ちょっと意欲が涌いた午後でありました。


彼女が考えているあいだ、トニー滝谷地獄のような日々を送った。仕事は手につかなかった。毎日酒を飲んだ。孤独が突然重圧となって彼を押さえつけ、苦悶させた。孤独とは牢獄みたいなものだと彼は思った。俺はこれまでそれに気づかなかっただけなのだ。彼は自分を取り囲んだ壁の厚みと冷ややかさを、絶望的な目で眺め続けていた。もし、彼女結婚したくないと言ったら、俺はこのまま死んでしまうのかもしれないな。」
「朝目覚めると彼はまず彼女の姿を求めた。となりに彼女の眠っている姿が見えるとほっとした。姿が見えないときには不安になって家中を捜しまわった。孤独でないということは、彼にとっていささか奇妙な状況であった。孤独でなくなったことによって、もう一度孤独になったらどうしようという恐怖につきまとわれることになったからだ。ときどきそのことを思うと、彼は冷汗が出るくらい怖くなった。」
村上春樹トニー滝谷」より。
孤独について、考えていて、ちょっと手がかりになる文章だったので引用しました。
空の蒼の深さ、夕日の赤のせつなさ、風の心地よさ、雪の無力、手書き文字の暖かさ、気遣いの嬉しさ、そんなものを共有できる相手がいるなら、
人間てそれほど寂しくはない気がします。
沈む夕日を、暮れていく街を、ただ黙って見つめてくれる相手など、出会えなかったですけどね。
だから、孤独を半分、肩に背負って誰かと共に居る事を続けていくのかなぁ。
なんて考えたりしてます。結論はないです。

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