温泉

温泉といっても歩いていけるのです
　交差点の一角にある天然温泉なのですが
　温度が低いから沸かしています
　ゆったりと湯船に浸かれば疲れが飛ぶように
　温度が高めだから汗がぽつぽつと出てくる
　イオウの匂いがするとなんだか温泉気分になる
　気をつけないと滑ってしまう
　硫黄分が多いと湯船を移動中に
　ステ～ンブクブクとなってしまう
　湯船が３畳程だろうか誰も居ないから貸切のようだ
　子供の頃に戻ってバチャバチャ
　あいたたた腰が痛かったのを忘れでいた
　ゆるりと肩まで沈んでマッサージしながら
　腰を撫ぜつつ足を擦る
　体が温もると少しは痛みがなくなるようだ
　誰も居ないからつい鼻歌が出てしまい
　唄まで歌いだす
　足音がしてぴたりとやめる
　聞かれたと思うと少し赤らむが
　充分湯で温まっているから同じかな

　体を拭いて服を着てまた家路に戻る道
　爽やかに頬を撫ぜる風が気持ちいい
　上気した顔をなだめるように
　優しく吹く風がうれしくなってしまう
　たまには温泉気分だね