光と音

夏の最後の花火が上がる
　四方八方に飛び出した光の線が
　弧を描き花弁の如くなる
　光のファンタジーが織りなす
　夏の夜の饗宴
　見上げる空が色とりどりに染められる

　音が激しく鳴り響く
　大輪の花びらが開き
　そしてまさに散ろうという刹那
　遅れたように雷鳴が轟く
　大きさに比例して
　大きいものは音が大きく
　小さいものはそれなりの音がする

　ワァ～～～と歓声が上がる
　ため息かそれとも感嘆のどよめき
　打ち上げのヒュ～～ゥ～と音がすると期待する
　今度はどんな花火だろうとワクワクする
　その後の光の輪に満足する

　星がそのきらめきを失い
　月が光を失うほんのひと時
　花火の光が大空を凌駕する